メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ

読み : メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ

メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラはアニメ『ふしぎの海のナディア』の登場人物。
24歳の若さで万能潜水艦ノーチラス号の副長を務める金髪碧眼の女性。
かつてアフリカに存在したタルテソス王国出身で、王国が滅亡して孤児になったところをネモ船長に助けられ、育ての親でもあるネモ船長に想いを寄せる。
ジャンたちはエレクトラさんと呼んでいる。

メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラの由来・意味

メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラはギリシア神話に登場する女性・エレクトラ(エーレクトラー)、および心理学用語のエレクトラ・コンプレックスが由来となっている。
ギリシャ神話においてエレクトラ王女は母とその愛人に王であり父であるアガメムノーンを殺され、弟のオレステースと共に父を殺した母に復讐する悲劇の王女として登場する。

エレクトラ・コンプレックスはスイスの精神学者・ユングが提唱した概念で、女児が父親に対して独占的な愛情や恋愛感情を抱き、母親に対抗意識を抱く心理的な抑圧を意味し、母に憎悪を抱いていたエレクトラ王女が名称の由来となっている。
エレクトラ・コンプレックスは、オーストリアの精神学者・フロイトが提唱したエディス・コンプレックス(男児が母親に対して独占的な愛情や恋愛感情を抱き、父親に対抗意識を抱く心理的な抑圧)の女児のケースを指す。

※エディス・コンプレックスはギリシャ神話に登場するエディプス(オイディプス)が由来となっており、エディプスは自分の父親であることを知らずに父親ラーイオスを殺害し、母親と知らずに母親のイオカステーと結婚して子供を授かり、後に真実を知るという悲劇の運命をたどった人物

エレクトラに込められた真の意味

※ここからはネタバレを含む

エレクトラは育ての親であるネモ船長に対して異性としての恋愛感情を抱いており、第22話「裏切りのエレクトラ」でエレクトラ自身の口から自身の過去とネモへの想いを語っている。

ガーゴイルらネオアトランティスはクーデターによってタルテソス王国を支配し、バベルの塔を復活させその力を国民の前で試そうとした時、バベルの塔が暴発して王国が滅びた。タルテソス王国民で唯一生き残ったエレクトラはネモに出会い、ネモは娘として育てていくことを決めた。しかし、バベルが塔が暴発したのはバベルの塔を止めるためにネモが塔を自爆させたためであり、意図的ではないとは言え王国が滅びたのはネモに原因があった。
そのことを知ったエレクトラはネモを憎み、殺してやりたいとも思ったが、王国が滅びた真の要因であるガーゴイルを殺し、ネオアトランティスを滅ぼすためにどんな血も流す人だと思ったからこそエレクトラはネモを信じ、愛した。

しかし、ノーチラス号の自爆によってネオアトランティスを滅ぼす機会が訪れた際、ネモは自爆を選ばなかったためエレクトラはネモに対する愛憎入り交じった感情を爆発させ、ネモを銃で殺そうとした。
ネモが自爆を選ばなかったのはネモの娘であるナディアがネモの前に現れたためとエレクトラは思っていたが、ネモは娘のように思っているエレクトラを巻き添えにすることは出来なかったからだと語った。

エレクトラのネモに対する愛情は単純なものではないが、自分の父親ぐらいに年が離れたネモに対する恋愛感情はまさにエレクトラ・コンプレックスである。実はエレクトラという名前の中にそうした意味深な心理が盛り込まれていたのである。

それを裏付けるかのように、最終話「星を継ぐ者…」でネモが死ぬ直前に、「エレクトラ、いや、メディア。後のことは頼む」とエレクトラに語りかけ、その言葉を聞いたエレクトラは自分のお腹に手を当てるという意味深なシーンが描かれている。
実はこの時、エレクトラはネモの子供を身篭っており、ネモは生まれてくる子供のことを頼むという意味でエレクトラに語りかけていたのだ。

ガイナックスの設立者であり元代表取締役の岡田斗司夫氏によると、ネモとエレクトラは実は親子関係ではなく恋人同士の関係であるという設定を、エレクトラという名前で告げていたのだという。
エレクトラを娘のように思っているとネモ自身の口から語られていたが、2人はそういう関係であり、少女漫画でありそうなそういった愛憎入り交じったドロドロした関係は、少女漫画好きの総監督の庵野秀明の意向によるものである。
『ナディア』はNHKで放送されていたため、『エヴァンゲリオン』における碇ゲンドウと赤木リツコのような男女のドロドロした関係はハッキリとは描かれていないが、庵野秀明監督の趣向でそういった要素も密かに盛り込まれている。

ナディアが主人公とは思えないほどワガママな性格で矛盾した言動をとるのも庵野秀明監督の女性観からくるものであり、男性が抱きがちな女性に対する理想論ではなく、少女漫画に描かれているリアリティを盛り込んでいるためである。

以下の岡田斗司夫氏のインタビュー記事ではドロドロした裏設定が暴露されているため、知りたくない方はスルーしていただきたい。
参考:「ふしぎの海のナディア」徹底研究!インタビューノーカット版