ストライクウィッチーズ登場人物のイメージモデル

読み : ストライクウィッチーズ・イメージモデル

『ストライクウィッチーズ』は島田フミカネがマンガ雑誌『月刊コンプエース』に連載していたイラストコラム企画を元としてアニメ化・小説化・マンガ化された作品。
略称は「ストパン」「ストウィ」など。

ストライクウィッチーズの各登場人物の多くは第二次世界大戦に活躍したエース・パイロットをイメージモデルとしている。というわけで主要な登場人物のイメージモデルをまとめてみた。

※エースパイロットは日本では撃墜王と表現され、第一次世界大戦から使われている名称。特に撃墜数が多いパイロットはトップ・エースと称される。

宮藤芳佳

●宮藤芳佳(みやふじ よしか)
使い魔は豆柴の九字兼定(くじかねさだ)、固有魔法は治癒能力

イメージモデルは愛知県出身・大日本帝国海軍航空隊の武藤金義(むとうかねよし)。芳佳の出身である扶桑(ふそう)は愛知県にある。

武藤氏は敵を一機ずつ誘い出して撃墜することを得意としており、宮本武蔵が吉岡一門数十人を相手に勝利した一乗寺下り松の決闘を想起させることから「空の宮本武蔵」と呼ばれていた撃墜王。性格は明るく、坂本美緒のイメージモデルとなった坂井三郎氏とは友人であった。

坂本美緒

●坂本美緒(さかもと みお)
使い魔はドーベルマン、固有魔法は魔眼
右目の魔眼はネウロイのコアを視認可能

イメージモデルは大日本帝国海軍の坂井三郎(さかいさぶろう)。

ガダルカナル島上空でアメリカ海軍と交戦した際に頭部に被弾し、失明は免れたものの右目の視力をほぼ失ってしまった。片目の視力低下はパイロットにとって致命的だが、坂本はその後も左目の視力だけでパイロットとして活躍した。このことから分かるように、坂本美緒の魔眼も坂井三郎がモデルとなっている。

宮藤芳佳のイメージモデル・武藤金義氏とは友人であり、本作では上官と部下という関係であるものの親しい間柄として描かれている。

終戦後に出版した戦記『大空のサムライ』は日本のみならず各国で発売され世界的なベストセラーに。

リネット・ビショップ

使い魔はスコティッシュフォールド(猫)のコンセルティナ、固有魔法は弾道安定

他の登場人物と異なり明確なイメージモデルが不明。

小説の後書きには「リーネだけがモデルがちょっと他と違い、名前から想像できるウィッチではなく、そこから一ひねりしてある」、OVAの資料集には「このキャラだけ、元ネタが他と違う。普通に考えると時代の違うパイロットを想像するのが、実はそこにもう1ネタ仕込んである」と書かれている。

まずリーネの母親で元イギリス軍のエースであったミニー・ビショップのモデルが第一次世界大戦で活躍したイギリス空軍のウィリアム・エイブリー・”ビリー”・ビショップ(カナダ出身)がモデルとなっている。

リーネの姉であるウィルマ・ビショップのモデルはイギリスの航空技術者、レジナルド・ジョセフ・ミッチェルがモデルとなっている。
ミッチェル氏は「スーパーマリン スピットファイア」と呼ばれるイギリスの戦闘機の設計者として知られ、ウィルマの使用機材「ウルトラマリン スピットファイアMk.II」のモデルである。

また、ウィルマの誕生日はミッチェル氏の誕生日・5月20日からとっており、リーネの誕生日・6月11日はミッチェル氏の命日である。『ストライクウィッチーズ』は世界大戦中に活躍した戦闘機など空軍・陸軍兵器を擬人化(メカ少女化)するという企画であったため、「スピットファイア」の擬人化であると推測されている。

ペリーヌ・クロステルマン

使い魔はシャルトリュー(猫)、固有魔法は雷撃

イメージモデルはフランス出身のピエール・クロステルマン。ペリーヌが所属する自由ガリア空軍第602飛行隊は、クロステルマン氏が所属していた自由フランス空軍に由来する。

クロステルマン氏は母国フランスでは有名なエース・パイロットで自らの戦争体験を綴った戦記『撃墜王』はベストセラーに。戦後は下院議員として活躍。

ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ

使い魔は灰色狼、固有魔法は三次元空間把握能力、通称はフュルスティン(女侯爵)
501 STRIKE WITCHESの隊長として指揮をとる。

イメージモデルはドイツ出身のヴォルフ・ディートリッヒ・ヴィルケ。司令官として指揮をとり撃墜機数162機という成績を残している。

落ち着いた人柄から「フュルスト(公爵)」と呼ばれており、ミーナの通称はここからきている。

作中に登場するドミニカ・S・ジェンタイルのモデルになったアメリカ陸軍のドミニク・S・ジェンタイルにヴィルケ氏は撃墜されたと記録されている。

ゲルトルート・バルクホルン

使い魔はジャーマンポインター(犬)、固有魔法は怪力
愛称のトゥルーデは本名のGertrud(ゲルトルート)→trude(トゥルーデ)から

イメージモデルはドイツ空軍のゲルハルト・バルクホルン。トゥルーデの妹、クリスティアーネ・バルクホルンはイメージモデルのバルクホルン氏の妻・クリストルに由来する。

トゥルーデが使用した昼間戦闘用ユニット「メッサーシャルフ Bf109」はバルクホルン氏が搭乗していた戦闘機「メッサーシュミット Bf109」がモデル。

エーリカ・ハルトマン

使い魔はダックスフント、固有魔法は疾風、通称・黒い悪魔

イメージモデルはドイル空軍のエーリヒ・ハルトマン

ハルトマン氏は352機撃墜という史上最多の撃墜機数を持ち、機首に黒いチューリップ風のマーキングを施した「メッサーシュミット Bf109G」に搭乗してたことから「黒い悪魔」と恐れられていた。エーリカの通称・黒い悪魔はここからきている。

シャーロット・E・イェーガー

使い魔はウサギ、固有魔法は超加速
愛称はシャーリー(グラマラス・シャーリー)、スリーサイズはB94・W61・H86

イメージモデルはアメリカ空軍のチャック・イェーガー世界で初めて水平飛行で音速を超えた人物として知られる。シャーリーがスピード狂であるのもイェーガー氏をモデルとしているゆえ。

イェーガー氏は音速を越えたロケット機・XS-1(ベルX-1)に自身の妻の名前にちなんだグラマラス・グレニス」という愛称をつけていた。シャーリーの愛称であるグラマラス・シャーリーにも影響を与えている。

フランチェスカ・ルッキーニ

使い魔は黒ヒョウ、固有魔法は光熱攻撃/多重シールド

イメージモデルはイタリア空軍のフランコ・ルッキーニ

作中でルッキーニは木の上や高い所でよく寝ているが、これはヒョウが天敵であるライオンやトラから逃れるために木の上に獲物を持って上がることに由来すると考えられる。

エイラ・イルマタル・ユーティライネン

使い魔は黒狐、固有魔法は未来予知
未来予知によって敵の攻撃を回避することができる

イメージモデルはフィンランド空軍のエイノ・イルマリ・ユーティライネン

437回もの出撃回数のうち、被弾したのはわずか一度だけ(それも翼にかすった程度)であったため「無傷の撃墜王」と呼ばれていた。エイラの未来予知による攻撃回避もユーティライネン氏が元ネタになっている。

サーニャ・V・リトヴャク

使い魔は黒猫、固有魔法は全方位広域探査
エイラと百合関係があるように描かれている

イメージモデルはソ連空軍の女性パイロット、リディア・リトヴァク。エース・パイロット史上で2人しかいない女性エース・パイロットの1人

機体に白い百合を描いていたと言われており、ソ連では「スターリングラードの白百合」と呼ばれ、ドイツでは白百合を誤認して「スターリングラードの白薔薇」と呼ばれていた。もしかしてエイラとの百合関係はここから・・・Oh・・・

リディア・リトヴァクら女性パイロットの活躍を描いた『出撃!魔女飛行隊』。本著書の原題は『Night Witches(夜の魔女)』であり、サーニャの夜間哨戒に通ずるものがある。一番上に描かれている女性がリディア・リトヴァク。

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