インシテミル

読み : インシテミル

『インシテミル』は米澤穂信(よねざわほのぶ)によるミステリー小説。
英表記は『The Incite Mill』。
第8回本格ミステリ大賞の最終候補作に選ばれ、2010年には 藤原竜也主演で『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』というタイトルで映画化された。原作で登場する釜瀬と箱島が映画では登場せず、人物設定や凶器が一部原作とは異なっている。

【あらすじ】
24時間監視付きの館(暗鬼館)で7日間過ごせば時給11万2000円がもらえるという実験に男女12人が参加。その実態は参加者の部屋にはそれぞれ凶器が用意されており、他の参加者を殺すことでより多くの報酬がもらえるというデスゲームであった。殺人が発生し参加者は疑心暗鬼に陥り、精神的にも肉体的にも追い詰められていく。

インシテミルの意味・由来

タイトルの『インシテミル』は「淫してみる」が由来となっている。つまり「淫する」=「淫してみる」=「インシテミル」ともじったものとなっている。「淫する」とはイヤラシイ行為を指す場合もあるが、「物事に熱中する、没頭する」という意味もある。本作では後者の意味で使われており、作者は”ミステリに淫してみる“という意味を含ませている。つまり『インシテミル』は”物語に没頭する(淫してみる)”という意味に解釈できる。

また英表記の『The Incite Mill』は直訳すると「扇動ミル」であり、「Incite」の正しい読みは「インサイト」であるためローマ字読みしたものとなっている。「Incite」は「扇動する、好奇心をかきたてる」、「Mill」は「製粉機、ひき臼(うす)」を意味する。

元々「インシテミル」は「淫してみる」をもじったものであるため、英表記の『The Incite Mill』は当て字にした可能性が高いが、英表記から解釈するならば11万2000円という時給に興味をそそられて実験に参加し、外界と遮断され24時間行動を監視される館で精神的にも肉体的にも製粉機のように徐々にすり潰されていくと捉えることもできる。そう考えると円形の建物がまるで被験者をすり潰す臼のようにも感じられる。