オン・ユアー・マーク、ゲットセッ

読み : オン・ユアー・マーク、ゲットセッ

オン・ユアー・マーク、ゲットセッとは?

「オン・ユアー・マーク、ゲットセッ」は2014年(平成26年度)1月18日に実施されたセンター試験の国語の問題文に登場したフレーズである。「オン・ユアー・マーク、ゲットセッ」は「On your mark,get set(位置について、よーい)」を意味するが、なぜか最後の“ト”が省略されて「ゲットセッ」となっていることから、試験後に話題になった。
「ファイト」を「ファイッ!」と表記するような、ネイティブの発音表記なのだろうか。

オン・ユアー・マーク、ゲットセッ

この問題文は大正・昭和の小説家・岡本かの子の小説『快走』が使われており、原文でも「ゲットセッ」になっている。あえて「ゲットセッ」と表記しているのか誤植なのかは不明だが、センター試験では原文のまま掲載された。

問題文に使われた『快走』はAmazonで無料でダウンロード可能

快走

この問題文(小説)では「おほほほほほほほほほほほ」「あははははははははははは」というやたらと笑い声も印象的であったため、試験終了後「オン・ユアー・マーク、ゲットセッ」と共に、この笑い声もTwitterで話題になった。
おほほほほ

『快走』は以下のサイトで読むことができる。
岡本かの子『快走』

センター試験・国語の歴史

センター試験の国語は本年だけでなく、毎年何かしらの話題をつくってきた。
※話題になった言葉は必ずしも作中に登場するわけではなく、文の印象で付けられることが多い

2006年「僕っ娘百合小説」
元ネタ:松村栄子『僕はかぐや姫

2007年「習字で告白」
元ネタ:堀江敏幸『雪沼とその周辺 』収録の「送り火」

2008年「従姉妹を狙うイケメンに嫉妬」
元ネタ:夏目漱石『彼岸過迄

2009年「引越しするので家具破壊」
元ネタ:加賀乙彦『雨の庭
雨の庭

2010年「沈黙の親子」
元ネタ:中沢けい『楽隊のうさぎ

母と息子の会話が

2011年「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネおばさん」
元ネタ:加藤幸子『自然連祷

2012年「たま虫を踏み潰すヤンデレお嬢様」
元ネタ:井伏鱒二『井伏鱒二全集〈第1巻〉』収録「たま虫を見る」

問題文に「たま虫を踏み潰すヤンデレお嬢様」という言葉は登場しないが、以下の行動からそう呼ばれるようになった。

たま虫はその羽根を撃ちくだかれて、腹を見せながら死んでいた。私はそれを拾いとろうとしたが、彼女はそれよりもはやく草履で踏みにじった。

2013年「スピンスピン」
元ネタ:牧野信一『地球儀

2013年の問題文に採用された『地球儀』には、「スピンスピン」以外に「シイゼエボオイ・エンドゼエガアル」「フェーヤー」「ヘーヤーヘブン」など難解な言葉が数多く存在し、センター試験国語の歴史の中でも異彩を放っている。

同じ部屋の丸い窓の下で、虫の穴がところどころにあいている机に向って彼は母からナショナル読本を習っていた。
シイゼエボオイ・エンドゼエガアル」と。母は静かに朗読した。竹筒の置ランプが母の横顔を赤く照らした。
スピンアトップ・スピンアトップ・スピンスピンスピン――回れよ独楽(こま)よ、回れよ回れ」と彼の母は続けた。

~中略~

こう言われると、母は得意げな手つきで軽く球(地球儀)を回してすぐに指でおさえた。
フェーヤー? フェーヤー・・・・・・チョッ! 幾度聞いてもだめだ、すぐに忘れる」
ヘーヤーヘブン」と母はたちどころに言った。

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