イキリト
読み : イキリト
【目次】
イキリトとは、「イキっている人」という意味
イキリトとは、「イキっている人」、または「イキリオタク」意味するネット用語である。「イキる」は、「意気がる」「粋がる」の略で、関西弁で「虚勢を張る」「(実力がないのに)調子に乗る」という意味。
調子に乗っていることを自称で「イキリトしている」というように表現したり、他称で「あいつマジでイキリト」と揶揄したりする時に使う用語。
イキリトの元ネタは「SAO」のキリト
イキリトの元ネタは、ライトノベル「ソードアート・オンライン(略:SAO)」の主人公・キリトこと桐ヶ谷 和人(きりがや かずと)である。「イキる」と「キリト」を掛け合わせて生まれたのが「イキリト」。
ただし、キリト本人がイキった発言をしたからではなく、一部のキリトファンやイキリオタクを指す言葉として生まれた用語であるため、イキリトという用語は、キリトにとっては風評被害に等しい。
イキリトというネット用語が広まった経緯は、こうである。
まず、2017年初めごろから、「オタクだけど彼女いる」「オタクだけどDQNをボコボコにしたことがある」など、イキがっている発言をするオタクの蔑称として「イキリオタク」という言葉が使われだした。その後、そうしたイキったオタクが言いそうな発言を真似た「イキリオタク構文」が流行。
その中で、イキリオタク構文とキリトを合わせた「イキリト」を使う者が現れた。それが以下の画像。
Twitterで確認できた最古の投稿は2017年5月17日だが、それより少し前からこの画像はあったようだ。
参考:イキリト / Twitter
画像には以下のように書かれているが、原作でキリトが発言したわけではなく、あくまでもイキリオタク構文に当てはめたものである。
俺オタクだけど昔はDQNとやりあってたし、彼女も普通にいるからw
他の女から何人も言い寄られて正直困るw
そして、2017年の6月15日に診断メーカーのタグとして「#あなたっぽいアニメキャラ」が使われはじめたのだが、いつのまにかタグだけが独り歩きしだし、診断メーカーを使わずに自分でアニメキャラに喩えるユーザーが増加し、一種の大喜利状態に。
→#あなたっぽいアニメキャラ / Twitter
その中で、以下のように自分をSAOのキリトに喩えるユーザーが出現し、コピペされて広まっていった。
※元のツイートは削除されている。
ネタとか嘘とか言われそうだけど
俺って結構キリト+司波達也みたいな
感じですwww( ̄∀ ̄)(爆笑)
あ、でも彼女はアスナ似かな…笑笑
しかも結構筋肉あるから話しかけられる頻度も高いんだよね(爆笑)
この前の握力測定では34あったし笑
ネタかと思われるかもしんないけどマジでキリトに似てるって言われるw
実際はただのオタクなんだけどな…w
ちなみに彼女もアスナに似てる(迫真)
キリトかなーやっぱw
一応オタクだけど彼女いるし、俺って退けない性格だしそこら辺とかめっちゃ似てるって言われる()
握力も31キロあってクラスの女子にたかられる←彼女いるからやめろ!笑
俺、これでも中1ですよ?ps
彼女はアスナ似です(聞いてねえ
キリトかなーやっぱりww
自分は思わないんだけど周りにキリトに似てるってよく言われるwww
こないだDQNに絡まれた時も気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてたしなwww
ちなみに彼女もアスナに似てる(聞いてないw)
ここから、自分をキリトと喩えるキリトファン、およびイキリオタクをイキリトと呼ぶ流れが加速。特に「キリトかなーやっぱw」はテンプレ化されるなど、イキリトを代表するコピペとなった。
これらのイキリトのツイートには、「オタクだけど本気出したら強い」「自分はキリトに似ていて、彼女もアスナに似ている」といった共通点がみられる。
ただし、上記のツイートはオリジナルが削除されているため、どれが本気でどれがネタなのかは今となってはわからない。
イキリトの発言には、「DQNに絡まれた時も気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてたしな」というような表現が多くみられるが、これは、原作の第3巻「ソードアート・オンライン3 フェアリィ・ダンス」にて、サラマンダーとの戦闘の後、キリトが発言した以下のセリフが元ネタであると思われる。
キリト:
いやー、そこまで考えてなかったって言うか…俺、たまにあるんだよな…。
戦闘中にブチ切れて、記憶が飛んだりとか…。
→ALfheim Online(アルヴヘイム・オンライン)の意味
※「#あなたっぽいアニメキャラ」が元ネタであると解説しているサイトが多いが、その前からイキリトという呼称は使われていた。イキリトが広まったきっかけは「#あなたっぽいアニメキャラ」ではあるが。
このように、イキリトはもともと、イキった発言をするキリトファンやイキリオタクを揶揄する、またはネタとして使う言葉として生まれたが、現在は単純に「イキっている人」を指す言葉として使われることが多くなった。イキっている人を略してイキリ人(イキリト)、という意味で解釈している人も、中にはいるかもしれない…。
イキリトを使う際の注意点
最後にひとつ注意していただきたいのは、イキリトはあくまでもキリトファンに対する蔑称であって、原作のキリトにとっては完全な風評被害であるということ。
「イキる」は、実力がないのに調子に乗ることを指す言葉であるため、SAOの世界でトップクラスの実力者であるキリトに対して使うのは正しくない。ゲームオタクではあるが、アスナという彼女がいるし、モテている。
また、キリトの声優を務める松岡禎丞は、ラジオ番組で「キリトはちゃんと今まで培ってきたものがあるんで、イキリトってあんま言ってほしくないなあ」と思いの丈を語っている。イキリトはネタとしてのネット用語であるため、キリトに対してイキリトを使うのは控えたほうがよろしいかと。