ニムロッド

読み : ニムロッド

「ニムロッド」は、上田岳弘による小説。第160回芥川賞受賞作品

IT企業で新規事業を任され、仮想通貨をネット空間で採掘する主人公の中本哲史。あらゆるものが情報化した社会を背景に、生きづらさを抱えた人々を描き、個のあり方を問う作品。

小説「ニムロッド」のタイトルの由来

「ニムロッド」という小説のタイトルは、日本のロックバンド「People In The Box」の同名の楽曲『ニムロッド』が由来である。

作者の上田岳弘はPeople In The Boxの大ファンで、『ニムロッド』という曲が好きだったことから、「いつかこのタイトルで小説を書きたかった」と芥川賞受賞後の会見でコメントしている。

People In The Boxの『ニムロッド』

上田岳弘が大ファンだというPeople In The Boxは、福岡出身の3人組オルタナティブ・ロックバンド。

『ニムロッド』という楽曲は、2012年にリリースされたミニアルバム「Citizen Soul」に収録されている。

『ニムロッド』MV


MVでは一冊の本がめくられていき、様々な情景が描かれていく。ファンの間でも非常に評価の高いMVとなっている。

このMVの監督は、アニメーション作家の加藤隆。過去に報道ステーションのオープニング映像やMr.Childrenのライブ映像、米津玄師の『ゆめくいしょうじょ』のMVなどを制作している。

MV内で使われている本は表紙がないが、文字を読み取ると『and Other Stories―とっておきのアメリカ小説12篇』であることがわかるという。


ニムロッドの意味

「ニムロッド」という言葉にはいくつかの意味がある。

一つは旧約聖書に登場する人物の名前で、狩人の英雄とされている。

兵器の名前にも多く用いられており、イギリスでは戦闘機や海軍の艦名、ハンガリーの自走砲、イスラエルのミサイルなどの名前にも「ニムロッド」が用いられている。

アメリカのロックバンド・Green Day(グリーン・デイ)の5thアルバムのタイトルも『Nimrod』である。

People In The Boxでは、作詞をしているボーカル波多野裕文が歌詞の意味については一切説明しないと名言しているため、『ニムロッド』がどういった意味で名付けられたのかは各々が感じ取るしかない。

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