魔女の一撃
読み : マジョノイチゲキ
「魔女の一撃」とは?
「魔女の一撃」とは、「ぎっくり腰」の俗称である。「ぎっくり腰」は突然に起こる腰痛のことで、正確には「急性腰痛症」という。
「ぎっくり腰」は、重たい物を持ち上げた時や立ち上がった時などに発症する腰痛。比較的、短期間で治る腰痛を指す。
魔女の一撃の由来
「ぎっくり腰」は魔女に腰を撃たれたように急激な痛みが走ることから、ドイツでは「魔女の一撃(Hexenschuss:ヘキセンシュス)」と呼んでいる。
ドイツ語で「Hexe(Hexen)」は「魔女」という意味で、「Schuss」は英語の「Shot(銃弾、射撃)」に該当する言葉。
では、なぜドイツでは「ぎっくり腰(急性腰痛症)」を「魔女の一撃(Hexenschuss)」と呼んでいるのか?
その由来は定かではないが、原因不明の腰痛を魔女のせいにしていた、というのがひとつの説。中世のヨーロッパでは、罪のない人々を魔女と断罪し迫害を行っていた「魔女狩り」という悲しい歴史があるが、魔女が害をなす存在とされており、医学がまだ十分に発達していなかった時代は、突然起こる「ぎっくり腰」を魔女の仕業にしていたのかもしれない。
参考:Hexenschuss | Word of the Week | DW (ドイツの国際放送事業体)
以下の図は、腰痛を表現したもの(1490年ごろ)。魔女と思われる人物が、腰あたりを武器で撃っている様子が描かれている。
「Hexenschuss」を英語に訳すと、「Witch’s shot」となる。「魔女の一撃」という呼称はドイツ発祥であるため、英語で「ぎっくり腰」を「Witch’s shot」と表現しても通じないことがあるようだ。
※英語で「ぎっくり腰」は「Strained back」と表現する。