Manic Street Preachers

読み : マニック・ストリート・プリーチャーズ

Manic Street Preachers(通称:マニックス)はイギリス、ウェールズ出身のスリーピースロックバンド。元々は4人組だったが、1995年にギタリストのリッチー・ジェームスが失踪して以降、3人で活動(詳しくは後述)。

バンド名の由来説は2つある。ひとつはメンバー全員がファンであるというThe Clashの楽曲『Clash City Rockers』をもじったものであるという説。もうひとつは、Vo/Gtのジェームスがマニックスを結成する前に路上で歌っていた際に老人から言われた言葉だという説。
「Manic」は「躁病(躁病)」、「Preacher」は「説教者、伝道者」を意味する。直訳すると、「躁病通りの伝道者」という意味になる。

過激な発言・過激な歌詞

昔は大胆な発言や過激な歌詞で歌うバンドとして知られていた。
有名なのはデビューアルバムに関する以下の発言。

30曲入りの2枚組アルバムを1枚だけ作って終わりにしたい。それを世界中でナンバーワンにして俺達は解散する。

デビューアルバムの『Generation Terrorists』は世界ナンバーワンにはならなかったものの、10万枚を売り上げゴールドディスクを達成した。ちなみにこれまで一度も解散はしていない。

同アルバム収録の『Motown Junk』の歌詞は、ビートルズファンへの宣戦布告ととれるような内容。

ジョン・レノンが死んだ時はあざ笑ってやった 21年間生きてきた俺にとって これっぱかしの意味も持たなかったんだ

1994年8月30日にリリースした3rdアルバム『The Holy Bible』発表時にイギリスの音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」に出演した際、ジェームズはテロリストや犯罪者がよく被っているバラクラバ帽(目出し帽)を被って歌ったため抗議が殺到。SEX PISTOLSのビル・グランディ事件を超える抗議があった。
※ビル・グランディ事件は家族向け娯楽番組「Today」内でインタビュアーのビル・グランディに対し、PISTOLSが放送禁止用語を連発した事件。

リッチー・ジェームスの「4 REAL事件」と失踪

ギタリストのリッチー・ジェームスはシングル『You Love Us』発表後のNME誌(イギリスの音楽雑誌)のインタビュー中に、自分の腕にカミソリ(ナイフ)で「4 REAL」と刻み17針を縫う大怪我を負った。
これはマニックスの大げさな宣言を軽蔑した態度をとったインタビュアーに対し、自分たちは本気だ、本物であるということを示すため、「For real(本気だ)」の”For”をメンバーの人数”4″に置き換えて「4 REAL」と刻んだ。俺達(4人)は本気だ、と自らを傷つけてまでアピールしたのだ。これが俗にいう「4 REAL事件」。

リッチー・ジェームスは「4 REAL事件」にみられるように自傷行為をしたり、うつ病、ドラッグなどで精神を患っていた。バンドの知名度が高まりバンドが売れて始めた最中、1995年2月1日にリッチーは失踪した。その日はアメリカ・ツアー前夜で、宿泊していたロンドンのベイズウォーターにあるエンバシー・ホテルから自宅にパスポートを取りに戻ったのを最後に姿を消してしまった。リッチーの乗っていた車がセヴァーン橋付近のガソリンスタンドで発見されるも本人は発見されなかった。
その後、インドのゴアやカナリア諸島での目撃談があったもののリッチーは戻ってこず、車が発見されたセヴァーン橋から飛び降りたのではないかと推測されている。

イギリスでは失踪して7年経過した後に家族が申請すると死亡が認められるが、リッチーの両親と残されたメンバーは彼の生存を信じ、いつ戻ってきてもいいようにと信託基金を作り4分した印税を払い続けていた。しかしリッチーは帰ってこず、2008年11月24日に死亡宣告が出された。

2009年リリースの9thアルバム『Journal for Plague Lovers』はリッチーが残した歌詞に曲を付けてリリースされた。リッチーが失踪する3~4週間前にジェームズが受け取ったもので、失踪してからずっと手元に置いておいたそう。

Journal for Plague Lovers

マニックスの名曲『Motorcycle Emptiness』

『Generation Terrorists』に収録。ジャケットの左腕/タトゥーはリッチー
ジェネレーション・テロリスト

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