ロンギヌスの槍、カシウスの槍

読み : ロンギヌスノヤリ

ロンギヌスの槍はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の作中に登場する武器の名前。死海で発見された巨大な赤い槍で、ATフィールドを貫いて使徒を一撃で撃破できるほどの力を持つ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」ではロンギヌスの槍に加え、カシウスの槍と呼ばれる槍も登場する。

ロンギヌスの槍、カシウスの槍の由来・意味

エヴァに登場するロンギヌスの槍の名称は、イエス・キリストの聖遺物のひとつ・ロンギヌスの槍を由来としている。新約聖書の「ヨハネによる福音書」に記述がある聖遺物のひとつで、十字架に磔になったイエスの死を確かめるため、後に聖ロンギヌスの名を持つことになるローマ兵が槍でイエスの脇腹を刺したとされている。

その際に使われた槍がロンギヌスの槍と呼ばれるようになり、イエスの血がついた槍は聖遺物とされ、聖槍(せいそう)と呼ばれるようになった。

ロンギヌスは白内障を患い目が不自由であったが、槍で刺した際にイエスの血が目に入り視力が回復。これを機に洗礼を受け、聖者(聖ロンギヌス)となったとされている。

※古代ローマの軍人・政治家であったガイウス・ユリウス・カエサルを暗殺したガイウス・カッシウス・ロンギヌスとは別人である。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」に登場するカシウスの槍は歴史上に登場しない。聖ロンギヌスの本名は、カエサルを暗殺したロンギヌスと同じ「ガイウス・カッシウス・ロンギヌス」であるという情報もあるが、定かではない。上述したように、新約聖書に登場する聖ロンギヌスと、史実に登場するカエサルを暗殺したガイウス・カッシウス・ロンギヌスとは別人である。

一説によると、キリストを刺す前はカシウスの槍だったが、刺した後にロンギヌスの槍と呼ばれるようになったとの話もある。しかし、こちらも真偽は定かではない。

イエス・キリストとロンギヌスの槍

Wikipediaより

ロンギヌスの槍を持つものは”世界を征服する力を得る“という伝説があり、ローマのコンスタンティヌス1世、西ローマ帝国の皇帝シャルルマーニュなどが槍を手にし、かのナポレオンも槍を欲したとされる。手にした者は強大な力を手に入れるが、一度でも手放すとその力を失うと伝えられている。

アドルフ・ヒトラーとロンギヌスの槍

アドルフ・ヒトラーはウィーンのホーフブルク王宮でロンギヌスの槍の霊力を受けた影響で、世界征服の野心を抱いたとされている。ハプスブルク家の手に渡ったロンギヌスの槍をヒトラーが奪取(経済的理由との見解もある)した後、ポーランド侵攻をはじめ快進撃を続けるが、1945年4月30日に米軍兵によってニュルンベルクの教会に保管していたロンギヌスの槍を持ち出された。

聖槍を失ったヒトラーは、それからわずか80分後に拳銃自殺で命を落とした

ヒトラーが敬愛するワーグナーの作品中にロンギヌスの槍が登場するため、ヒトラーはそれらの作品から影響を受けたとも言われている。

現在、ロンギヌスの槍はバチカンのサン・ピエトロ大聖堂やウィーンのホーフブルグ宮殿に保管されているものをはじめ数本存在するが、どれが本物であるかは判明していない。ヴァチカンにロンギヌスの槍と聖ロンギヌスの像が飾られているが、槍が本物であるかどうかは不明。

ロンギヌスの槍

ウィーンの博物館:Wikipediaより

聖ロンギヌスの像

聖ロンギヌス像:サン・ピエトロ大聖堂

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