パラレルキャリア

読み :  パラレルキャリア

パラレルキャリアとは、本業とは別に行う社外での個人活動を意味する。
本業の傍ら別の仕事をしたり、ボランティアをしたり、サークル活動に参加したり、本業以外の場所で築く「第2の人生」をパラレルキャリアと呼ぶ。

パラレルキャリアは経営学者のピーター・ドラッカーが著書『明日を支配するもの』などで提唱している考え方で、人間の寿命が長命になったため、組織にのみ頼らない生き方、「第2の人生」を考える必要があると説いている。
「パラレル(Parallel)」は「~と平行する」という意味で、意訳すると「複数の経歴を平行して持つ」という意味になる。

一見、本業とは関係のない活動であっても、人脈が広がる、スキルが上がる、知識が視野が広くなる、リフレッシュになるなど、本業にプラスになる可能性もある。
社員が成長することで企業も成長するため、パラレルキャリアを認めることは企業にとってもメリットがある。

また、終身雇用が崩壊した現在、企業でのキャリアだけに頼るにはリスクが高いため、「第2の人生」を築くためのパラレルキャリアが注目されている。
本業で溜まったストレスを社会活動で発散することでリフレッシュになってモチベーションアップにつながる、本業以外に居場所を作ることもパラレルキャリアのメリットである。

パラレルキャリアと副業の違い

パラレルキャリアは副業と似ている部分があるが、パラレルキャリアは必ずしも報酬を得る仕事をするわけではない点に違いがある
副業は副収入を得ることが目的であるが、パラレルキャリアはボランティア活動や趣味の活動なども含まれる。
無報酬で行っていた活動で報酬を得られるようになるケースもあるが、パラレルキャリアと副業はイコールではない。

パラレルキャリアは必ずしも報酬を得ることを目的としていないゆえに、気軽に活動できるという点にも違いがみられる。
チャレンジしてみて合わなければ別のことをすればいいし、しんどいならやめればいい。
ビジネスであっても本業があるため報酬が少なくても気楽に構えられる。
本業以外に自分のやりたいことを自由にできるのがパラレルキャリアの魅力である。

たとえば、お笑い芸人はパラレルキャリアを持つケースが多くみられる。
ビートたけしはお笑い芸人としてだけでなく、映画監督や俳優としての顔も持つ。
ダウンタウンの松本人志も映画監督としてのキャリアがある。
ピースの又吉直樹は『火花』で芥川賞を受賞し、お笑い芸人を本業とする一方で作家としてのキャリアを築いている。
又吉は「芸人をやるうえでも文章を書かせてもらうことは大きい」と話しており、作家の活動が芸人としての活動に影響を与えるパラレルキャリアの好例といえる。




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