デジタルタトゥー

読み :  デジタルタトゥー

デジタルタトゥーとは、インターネット上に記録されたデータは、一旦拡散・記録されてしまうと後から消すことは困難であることを表現した言葉。一度入れると消すことが難しいタトゥー(入れ墨)に喩えた言葉で、電子タトゥーとも呼ばれる。

インターネット上に個人情報が公開されてしまうと、公開情報元のサイトからデータが削除されてもネット上で情報が拡散されていると、完全に消去することは極めて困難である。また、ネットの検索記録、位置情報などもデジタルデータとして蓄積されるため、ネット社会の現代では、日常的にデジタルタトゥーを刻み込んでしまっている状態にあると言える。

ブログやTwitterなどのSNSの普及により、悪ふざけの投稿や安易な発言で一旦炎上すると、投稿を削除しても投稿内容がネット上で拡散されるため、アカウントを削除したとしても投稿内容は半永久的に残る。アルバイトがお店の商品や什器を使って悪ふざけをした様子を写した画像をTwitterに投稿し炎上する、いわゆるバイトテロはデジタルタトゥーにつながりやすい。

また、本人が意図しない事であったり、全く見に覚えのないことでも当人の意思に関わらずネット上で拡散・記録されてしまうこともあるため、悪意のある第三者によってデジタルタトゥーが刻まれる危険性も孕んでいる。ネット上ではデマが拡散されやすく、それがデジタルデータとして残ってしまうのがデジタルタトゥーの大きな問題である。

スマートフォンが普及し、常にネット環境が身近にある現在、デジタルタトゥーを完全に避けることは難しいため、SNSなどで不適切な発言をして不名誉なデジタルタトゥーが残らないよう十分にする必要がある。

デジタルタトゥーの問題は、2013年2月にアメリカ・カリフォルニアで行われた講演会「TEDカンファレンス」にて、メキシコ出身の研究者フアン・エンリケスが行った講演内で言及され、ネット社会が抱える問題として注目されるようになった。フアン・エンリケス氏は、デジタルタトゥーではなく、「Electronic Tatoos(電子タトゥー)」と表現しているが、デジタルタトゥーも電子タトゥーも意味するところは同じである。

フアン・エンリケス氏は電子タトゥーによって、「不死に近づいたのかもしれない」という興味深い見解を示している。肉体を超えて個人のデジタルデータがネット上に半永久的に残ること=不死である見解は興味深い。約5分の短い講演なので、ぜひ。

フアン・エンリケス「タトゥーのように残るあなたのオンラインライフ」
※日本語字幕付き

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