あとんす
読み : アトンス
あとんすは、「ありがとう」の意味で使われる言葉。
「あとんす」あるいは「あとーんす」といった形で使用される。
「あとんす」の元ネタ
「あとんす」は、井上雄彦の漫画『リアル』が元ネタ。単行本6巻で登場する。
主人公の一人である青年・野宮朋美が引っ越し屋でアルバイトを始めるが、そこは会話も笑顔もないギスギスした雰囲気の職場で、上司からは見下され怒鳴られる日々。
高校を中退し、目指すものもなく悩んでいた野宮は、そんな職場でも辞めずに続けることで「俺の道」に繋がると信じ、上司の罵倒にも耐え笑顔で働きつづける。
そんな野宮が、上司から「さっさとしろやヌケ作!!」と怒鳴られた時に、一瞬キレそうになりながらも笑顔で返したのが「あとんす!」である。その後も「あとんす」を連呼しながら笑顔で引っ越しの荷物を運ぶのであった。
ある日のバイト後、上司とバイトのメンバーで飲み屋に行くが、相変わらず会話しようとしない他のバイト仲間達。
バンドマンの男は「目標のために金がいる、金さえもらえりゃいいんだ」と話すが、それに対し野宮は「俺は何を目指すのかすらまだみつかってねーや、でもだからこそ今を生きることにした。おめーが踏みにじってる今を」、「今いる場所がつまんねえ職場だろうと俺の道であることに変わりはねえ俺のゴールにどうやってつながるかは知らねえが、いつかつながることだけは確かだ」と言い返す。
次の日出勤すると、他のバイト達が「あとんす!」「あとーんす!!」と口々に大きな声を出しながら笑顔でキビキビと働き、それまで野宮のことを「ヌケ作」と呼んで罵倒していた上司も「野宮」と名前で呼ぶようになる。見下すだけだった上司や「金のためだけ」に働いていた他のメンバー達も、野宮の考えに感化されて変わっていくのであった。
作中では特に説明されてはいないが「あとんす」は「ありがとう」あるいは「ありがとうございます」の略で、「あざーす」に似たようなニュアンスの言葉だと思われる。
それほど多く登場する言葉ではないのだが、野宮の名言も含め印象的な言葉となっており、Twitterなどでも感謝の言葉として使われている。