新世界より
読み : シンセカイヨリ
『新世界より』は貴志祐介の長編SF小説。
第29回日本SF大賞を受賞。
「別冊少年マガジン」にてマンガ化され、
映像化不可能と言われていたが2012年10月2日よりアニメが公開。
【ストーリー概要】
舞台は1000年後の未来。
そこは呪力(念動力)を手にした人間が存在する世界。
攻撃抑制と愧死(きし)機構を遺伝子に組み込むことで、人が人を攻撃したり殺めたりすることを防止している。
大人たちは過去に出現した悪鬼(あっき)や業魔(ごうま)と呼ばれる突然変異に畏れて子供たちを管理し、八丁標(はっちょうじめ)と呼ばれる結界の中の狭い世界に閉じ込めている。
そんな世界で生きる主人公の少年少女5人は外の世界に飛び出し、やがて大人たちが隠している世界の真実を知っていく…
※愧死機構は他人を攻撃しようと思った瞬間に心停止させる遺伝子に組み込まれた機構を意味する
【目次】
新世界よりの由来・元ネタ
タイトルの由来・元ネタはドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』。
英題は『From the New World』。
『新世界より』は副題で”新世界アメリカから故郷ボヘミアへ”というメッセージが込められている。
交響曲第9番は4つの楽章で構成され、作中に登場する『家路』は第2楽章に日本詞をつけたもの(作詞:野上彰)
『遠き山に日は落ちて』も同じ曲だが歌詞が異なる(作詞:堀内敬三)
ドヴォルザークの弟子・フィッシャーが「Goin’ Home」という題名で英詞をつけている。
第4楽章もよく使われているのでどこかで耳にしたことがあるかと思う。
悪鬼・業魔の違い
悪鬼とは?
作中における悪鬼は「ラーマン・クロギウス症候群」(別名:「鶏小屋の狐(フォックス・イン・ザ・ヘンハウス)症候群」)を発症したる精神病疾患者を指し、遺伝子に組み込まれた攻撃抑制および愧死機構が効かないため他人を攻撃することを厭わない。ラーマン、クロギウスの由来は過去に大量殺戮を犯した少年の名前。悪鬼には攻撃抑制がなく、いつ相手に攻撃を受けるか分からないため他人を先制攻撃し続けるという説があり、脳内で分泌される快楽物質により酩酊し大量殺人をやめられなくなる。
神栖66町の教育委員会は悪鬼の出現を避けるため、旧倫理規定による受胎後22周目からの人権の発動を生後17歳にまで引き上げる新倫理既定を作成。悪鬼となる可能性のある生徒は教育委員会により、家猫を呪力で品種改良した浮上猫に処分されることとなる。
業魔とは?
業魔は「橋本・アッペルバウム症候群」を発症した患者の俗称で、呪力の悪い漏出=バッドスピルが発生する。発症すると自分の意志では呪力の漏出はとめられず、周囲の人間を含む生き物の遺伝子まで損傷を与え変形させてしまう。業魔化するということは、呪力の両出をコントロールできなくなる状態を意味する。