ゲシュタルト崩壊

読み : ゲシュタルトホウカイ

ゲシュタルト崩壊とはある物事や事象に対して全体を認識する能力が低下する現象を指す。

ゲシュタルト崩壊はドイツ語で「形態、状態」を意味する「Gestalt(ゲシュタルト)」に由来する心理学用語。
文字や図形を一定時間見つけていると本来ならば認識できる文字・形が構成するパーツごとにバラバラに見え、本来の形とは異なる別の形に見えてくるなど、ひとつの物事を連続して行ったり凝視することで全体像を見失い別の形状と認識されてしまう現象を意味する。
主に特定の文字を数分間見つめることで発生する。
またゲシュタルト崩壊という言葉は人間の精神を全体像で捉えるゲシュタルト心理学に由来すると思われる。ゲシュタルト心理学の概念である「全体像」を見失うこと、つまりゲシュタルト崩壊である。

第二次世界大戦中にナチスが捕虜に対し、1日に数回鏡に映る自分に向かって「お前は誰だ!」と言わせるという実験が行われたという話がある。真実かどうかは定かではないが精神のゲシュタルト崩壊を目的とした実験と言われ、自分という存在を凝視、または「誰」と言わせることで自分を認識できなくなるものと思われる。
鏡に映った自分を数分間見つめていると自分が誰であるか認識できなくなり、「お前誰だ・・・?」と思わずつぶやいてしまう恐れがあるので遊び半分でやらないように

聴覚におけるゲシュタルト崩壊

視覚だけでなく聴覚にも同様のことが起こり、ひとつの言葉を繰り返し耳にしたり発声することでその言葉の意味が分からなくなってしまう。
「ちくわ」を30回ほど声に出して唱えてみると「ちくわちくわちくわちくわちくわちくわちくわ・・・あれ?ちくわってなんだっけ・・・?」と意味損失が生じる。しばらくすると元に戻り「あ、ちくわね」と意味を取り戻す。

ゲシュタルト崩壊の例

例えばひらがなの「の」を数分間見つめていると「のってなんだ!?」「のって!?」と疑問が生じてくるだろう。

こんな例もある。ひらがなの「ぷ」に句点をつけた「ぷ。」を見ているとボーリングをしている人に見えてしまうというもの。最初は「ぷ」に視点がいってしまうが見つめているとだんだん視点が「ぷ」と「。」の間に寄っていく。
ゲシュタルト崩壊

最初は「ぷ。」以外には見えないがだんだんと恐ろしく綺麗なフォームでボーリングを投げている人に見えてくるだろう。
見えないという方は「ぷ」から視点を少しずらして「ぷ」と「。」の間を見つめてみよう。

ゲシュタルト崩壊

画像:http://ss-nikki.cocolog-nifty.com/

特定の文字を複数並べることでもゲシュタルト崩壊は起きやすい。
赤字の「」を並べるともはや「」にしか見えなくなる・・・
※この画像を長時間見つめると目(と精神)がおかしくなるので注意
ゲシュタルト崩壊・祝い

なぜか「猫」。この時点ですでにゲシュタルト崩壊

ゲシュタルト崩壊に関係ないが高河ゆん作の『超獣伝説ゲシュタルト』というマンガがある。もうこうなると何がゲシュタルトでゲシュタルトじゃないのか分からなくなってくる。これがまさにゲシュタルト崩壊!

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