Seele(ゼーレ)
読み : ゼーレ
ゼーレは新世紀エヴァンゲリオン、及びヱヴァンゲリヲン劇場版の劇中に登場する架空の国際秘密結社。使徒の名前、数や出現に関する予言が記されている死海文書(裏死海文書)を所持し、議長のキール・ローレンツを中心に「人類補完計画」を遂行するため特務機関NERVを配下において操っている。
ゼーレとはドイツ語で「魂」を意味する
ゼーレ(Seele)はドイツ語で「魂」を意味する。ネルフ(NERV)もドイツ語で「神経」、ネルフの前身組織・ゲヒルン(Gehirn)は「脳髄」を意味する。ゼーレを中心とした一連の組織であることから、体を例えにすると「魂(ゼーレ)→ゲヒルン(脳髄)→ネルフ(神経)」というつながりがある。
ゼーレのマーク(シンボル)の元ネタ
ゼーレのマークは正面から見て左に3つ、右に4つの目、合計7つの目が描かれている。この7つの目は『ヨハネ黙示録』に記されている「黙示録の仔羊」が元ネタであると言われている。「黙示録の仔羊」は7つの目と7つの角を持ち、黙示録の第5章6節には「7つの目は全地に遣わされている神の7つの霊である」と描かれている。
ネルフ本部の最深部にあるターミナルドグマにて十字架に磔にされているリリスの仮面にも7つの目が描かれている。仮面はゼーレが装着させたのか、仮面ではなく元々の7つの目があるのかは不明。新劇場版では7つの目の仮面は描かれていない。
●黙示録における「7」という数字が持つ意味
黙示録には「7」という数字が多く使われている。「黙示録の仔羊」の7つの目と7つの角、7つの霊、7つのラッパ、7つの協会、7つの封印などが登場する。黙示録において数字にはそれぞれ意味があり、「7」は「完全」を意味している。また神が世界を創造した日数も7日間である。
テレビ版のエヴァではゼーレのメンバーは12人いたが、新劇場版では7人に変更されている。これは黙示録の数字、「黙示録の仔羊」の7つの目に合わせたものと推測される。
●新劇場版のゼーレマーク
新劇場版ではゼーレマークが改められ、7つの目に加えて「リンゴを抱く蛇」が描かれている。リンゴは旧約聖書の『創世記』においてエデンの園でアダムとイブが食べたとされる禁断の果実(知恵の樹の実)であり、蛇は禁断の果実を食すようにそそのかした存在として登場する。ネルフマークには禁断の果実を食べた後に裸でいることの羞恥心から局部を隠したイチジクの葉が描かれており、ゼーレとネルフいずれのマークも『創世記』に登場する禁断の果実に由来している。
●ゼーレマークの中心に描かれている言葉
マークの中心にはドイツの詩人、フリードリヒ・フォン・シラーの詩『歓喜に寄せて』の一節が引用されている。
(星空の上で神が裁く、我等がどう裁いたかを)
※ベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章・歓喜の歌(喜びの歌)の歌詞の3分の1はこの『歓喜に寄せて』の詩が元になっている。上記の一節は使われていないが。