Helter Skelter(ヘルター・スケルター)
読み : ヘルター・スケルター
『Helter Skelter(ヘルター・スケルター)』はThe Beatles(ビートルズ)が1968年に発表した楽曲。10枚目のアルバム『The Beatles(通称:ホワイトアルバム)』に収録(1968年11月22日リリース)。ポール・マッカートニーが音楽雑誌でThe WHO(ザ・フー)の記事を読んでインスパイアされ「最高にやかましくてダーティなロックンロール」を目指して作った曲。ホワイトアルバムの他の楽曲、またはビートルズの楽曲中で最高にヘヴィな曲。ポールがリード・ヴォーカルおよびリードギターを担当し、ジョン・レノンがベースを担当している。U2、Oasis、Stereophonics、Motley Crue、Aerosmithなどがカバー。
※The WHOのギタリスト、ピート・タウンゼントが「新曲『恋のマジック・アイ』は、これまでのどの楽曲よりも激しく妥協のない曲だ」と雑誌で答えているのを読んでポールは刺激を受けた。
Helter Skelter(ヘルター・スケルター)の意味
『Helter Skelter』は「あわてふためいて」「混乱している様子」といった意味があり、ホワイトアルバムの日本語対訳では「シッチャカメッチャカ」と訳されている。イギリスでは遊園地の「ぐるぐるすべり台(螺旋形のすべり台)」を指す。
曲の最後に入っている叫び声はリンゴの声で、「I’ve got blisters on my fingers!(指にまめができちゃったよ)」といっている。
Led Zeppelinの『Whole Lotta Love (邦題: 胸いっぱいの愛を)』と『Helter Skelter』をマッシュアップした作品が海外で話題に。
チャールズ・マンソンの最終戦争「Helter Skelter」
アメリカのカルト集団・チャールズファミリーの指導者であり、女優のシャロン・テート殺害事件を起こしたチャールズ・マンソンは、白人と黒人による人種間の戦争=「最終戦争(ハルマゲドン)」を「Helter Skelter」と呼んでいた。『Helter Skelter』はマンソンが画策した最終戦争を歌ったものと解釈し、『Helter Skelter』をハルバゲドンの予言であるとした。曲の歌詞がマンソン・ファミリーのことを歌っていると捉えたようだ。マンソンファミリーが殺人事件を起こしたことにより、ビートルズは『Helter Skelter』をライブなどで演奏することを中止した。
マンソンは以下のようにハルマゲドンを予言していた。
まもなく黒人のブラック・パンサーをはじめとする急進過激派が白人を相手に蜂起し、それがきっかけとなって核戦争が起きる。黒人が勝利するも、彼らには世界を統治するだけの能力がないことに気づく。そこでデス・ヴァレーの洞窟で生き残ったマンソンとそのファミリーが黒人に代わって統治することになる。
マンソンはファミリーに砂漠にファミリーのみで隠れ住むように説いており、『Helter Skelter』の歌詞は隠れ住むファミリーが這い上がる様を歌っていると捉えたと言われている。もちろんポールはそんなつもりで書いたわけでないし、マンソンとは何の関わりもない。