鉄血のオルフェンズに登場する機体の名前の由来

読み : テッケツノオルフェンズ・キタイノナマエ

ガンダム・バルバトス

三日月・オーガスが乗るモビルスーツ。
「バルバトス(Barbatos)」は、古代イスラエル3代目国王・ソロモン王が使役したとされる72人の悪魔・ソロモン72柱の1柱を担う悪魔の名前である。悪魔ではあるが、不仲になった人間関係を元に戻す力を持ち、動物の言葉を理解できる力を与えてくれるなど、どちらかというと穏便な悪魔。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズの意味

ガンダム・キマリス

ランスと折りたたみの実体剣を武装するモビルスーツ。厄祭戦を終結させたとされる72体のガンダムフレームのうちの一体。
「キマリス(Kimaris)」もソロモン72柱の1柱を担う悪魔の一人。20とも30ともいわれる軍団を率いる強大な力を持つ侯爵で、黒い馬にまたがった戦士の姿をしている。召喚者を勇猛果敢な戦士へと変貌させ、武力に長けているだけでなく召喚者に文法・論理学・修辞学を教えることができる文武両道の悪魔。

ガンダム・グシオン

巨大なハンマーとマシンガンを武装するモビルスーツ。
「グシオン(Gusion)」も同じく、ソロモン72柱の1柱を担う悪魔の名前。過去・現在・未来に関する質問に答え、召喚した者に敵対心を抱く人物を友好的にする力を持つ。

ガンダム・フラウロス
HG 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ガンダムフラウロス(仮) 1/144スケール 色分け済みプラモデル
火星ハーフメタル採掘場で発見された機体で、ノルバ・シノが搭乗。
フラウロスはソロモン72柱における序列64番の悪魔の名前。
地獄の大公爵で、36の軍団を率いる強力な力を持つ悪魔。

ガンダム・バエル

ギャラルホルンの創設者であるアグニカ・カイエルが搭乗していた機体で、ヴィーンゴールヴの地下深くに封印されていた。
彼の魂が宿ると伝えられる機体で、300年の眠りを経てマクギリス・ファリドを新たな搭乗者に迎えた。
バエルはソロモン72柱における序列1番の悪魔の名前。
悪魔や精霊について書かれたグリモワール『レメゲトン』の第一書『ゴエティア』に記載されている悪魔で、王冠を被った人間から、ヒキガエルの頭を持つ蜘蛛、ネコなど、さまざまな姿で描かれている。
序列1番の大悪魔で、66の軍団を率いる。

ハシュマル
火星ハーフメタル採掘場でフラウロスと共に発掘されたモビルアーマー。
ハシュマルは天使の階級で第四位に数えられる主天使(ドミニオンズ、キュリオテテス)たちを率いる天使の名前。

ガンダム・ヴィダール
HG 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ガンダムヴィダール 1/144スケール 色分け済みプラモデル
フルフェイスの仮面を被った謎の男・ヴィーザルの搭乗する機体。
ヴィダールの名の元ネタは、北欧神話に登場する神・ヴィーザル(英:Vidar)だと思われる。
ヴィーザルという名には「森」や「広い場所」という意味があり、ラグナロク(北欧神話における最終戦争)に備えて「ヴァージ」という森で隠遁生活を送っていたとされる。

グリムゲルデ

マクギリス扮する仮面の男・モンタークが搭乗するモビルスーツ。
グリムゲルデはワーグナーの歌劇『ニーベルングの指環』に登場するワルキューレ(ヴァルキリー)の一人で、「仮面の守護」という意味を持つ。
※ワルキューレは、神々の長ヴォータンとエルダの間に生まれた9人の娘たちを指す

ギャラルホルンの由来

地球を統治する各国連合の総意で結成された軍事組織であり、武力で制する世界平和維持の為の暴力装置としての役目を持つ。
「ギャラルホルン」は北欧神話に登場するアースガルズの門番・ヘイムダルが持つ角笛の名前。ラグナロク(北欧神話における終末の日)の到来を告げる角笛とされる。

ヒューマンデブリの意味

ヒューマンデブリは作中の造語で、宇宙海賊に襲われるなどで親を失い、人身売買される孤児を意味する。「デブリ(debris)」は「破片」という意味で、宇宙に漂うゴミを「スペースデブリ」と呼ぶ。デブリ同然の値段で売買されることから、この名がついたと考えられる。

現実の宇宙では、人工衛星から外れた部やスペースシャトルの破片などが回収・制御不能の物体となり、何十万というスペースデブリが宇宙を漂っている。人工衛星同士が衝突して生まれるスペースデブリもある。微細なデブリとスペースシャトルの衝突はたびたび起こっており、スペースデブリ対策が課題となっている。

阿頼耶識システムの由来

MSを動かすためのMMI(マン・マシーン・インターフェース)。三日月オーガスは極めてリスクが高い阿頼耶識システムの手術を三度受けながら生存しており、この手術の成功によって三日月はバルバトスを操縦訓練なしでも感覚的に操縦できるようになった。

阿頼耶識(あらやしき)は心の深層部を指す大乗仏教の用語で、八識(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識・末那識・阿頼耶識)の八番目にあたる。

眼識(視覚)・耳識(聴覚)・鼻識(嗅覚)・舌識(味覚)・身識(触覚)の五識は、五感のことで、第六識の意識は心、第七識の末那識(まなしき)は心に奥底にある意識(潜在意識)を表す。第七識は第六識の意識と区別するために一般に「意」と訳される、この「意」は「思量(思いをめぐらし考えること)」を意味する。

第八識の阿頼耶識は、末那識=心の奥底の意識よりも深い、人間の根源的な識を意味する。末那識が意識的であるのに対し、阿頼耶識は深層心理、つまり無意識の領域にある人間の根本的な識を指す。と表現すると分かりやすい。

余談であるが、『聖闘士星矢』に登場したセブンセンシズは末那識、エイトセンシズは阿頼耶識にあたる。『聖闘士星矢』ではエイトセンシズを目覚めさせることにより、生きたまま冥界に行くことが可能になった。エイトセンシズは『聖闘士星矢』のオリジナルの表現であるため、仏教に精通した人の前で「阿頼耶識?ああ、エイトセンシズね」と知ったかぶりをすると恥をかくことに

あと、『空の境界』にて、魔術師・荒耶宗蓮(あらやそうれん)は自身の名に「あらや」という阿頼耶識と同じ音韻を含みながら、阿頼耶識の概念を知らずに200年以上生きたという話が出てくる。恐らく荒耶という名は、阿頼耶識からとられたものだろう。

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