クータ・バインディング
読み : クータ・バインディング
クータ・バインディングは手で抑えなくても本が閉じないように製本加工を意味する。
クータ・バインディングは製本・印刷会社の渋谷文泉閣が開発し、特許取得している。
従来の本は厚みがあると手で抑えないと本が閉じてしまうが、クータ・バインディングは本文の背に筒状の紙(クータ)を設けることで開いたページを水平に保つことができる。
本の丈夫さを保ち、またページが抜けないように伸縮性・耐寒耐熱性・耐インキ溶剤性のある新型接着剤PUR(ポリウレタン・リアクティブ)をし、背表紙と本体の間に空洞があることで手を離しても本が閉じないようになっている。
分厚い本でもコピーが取りやすい、本を開きながら料理ができるなどこれまでの本のデメリットを解決している。
クータ・バインディングの意味・由来
「クータ」は「空袋(くうたい)」が由来であると言われている。関東の職人たちが使っていた「空袋」がなまって「クータ」になったそう。「バインディング(binding)」は英語で「製本」を意味する。「クータ」はフランス語っぽい響きがあるが、実は「空袋」を語源として生まれた言葉だそう。ちなみに「クーター」の英綴りは「Cooter binding」となっている。
手の不自由な友人からの「手で押さえなくても読める本が欲しい」という一言がきっかけとなり、手を離しても本が閉じない誰でも本が読みやすくなるユニバーサルデザインを取り入れたクータ・バインディングが誕生した。
参考:手で押さえなくても閉じない製本、クータ・バインディング
クータ・バインディングの日
渋谷文泉閣では9月8日をクータ・バインディングの日として制定している。日本記念日協会に記念日として申請しており、クータ・バインディングの普及を目的としている。
9月8日の由来は「クータ」を”9″、「バインディング」を”8″としてそれぞれの頭文字を当てはめた語呂合わせ。
動画を見るとクータ・バインディングがどんなものか分かりやすい。
なるほど、これはありそうでなかった画期的な製本。