シャープ(SHARP)
読み : シャープ
シャープは大阪市阿倍野区に本社を置く家電メーカー。液晶ディスプレイ技術に強みを持ち、世界初の液晶テレビ一貫生産工場である亀山工場(三重県亀山市)はCMで紹介されて話題になり、工場でありながらその名は広く知られている。浮遊カビ菌等を空中で除去するプラズマクラスター、両開きタイプの冷蔵庫など独自の技術・商品を開発している。
通称・IGZO(イグゾー)と名付けられた酸化物半導体はシャープが初めて量産化に成功し、液晶ディスプレイの高精細化、静止画表示の消費電力の大幅な低減を実現。高解像度ディスプレイとしてディスプレイ技術だけでなくセンサー技術への応用など、様々なデバイスへの搭載が期待される。スマートフォンとしては「docomo NEXT series AQUOS PHONE ZETA SH-02E」が世界で初めてIGZOを搭載。
シャープ(SHARP)の由来・意味
社名は「シャープペンシル」に由来する。「シャープ」の歴史を紐解くと、創業者の早川徳次が世界で初めて「シャープペンシル」を開発したことに由来するのだが、なぜ「シャープペンシル」と名付けたのかは以下のエピソードを知るとよく理解できる。
早川氏は元々は簪(かんざし)職人で、18歳の時に独立してバックルや万年筆の部品を生産する工場を構えた後、アメリカで発売されていた繰り出し式の鉛筆「エバーシャープ」の改良を手がけることに。
「永遠に鋭い」を意味をするこの「エバーシャープ(ever sharp)」はセルロイド製であったため壊れやすく芯を削る必要があるという難点があった。そこで早川氏は実用的に使えるように金属加工をし、「早川式繰り出し鉛筆」として売りだした。国内では売れなかったが海外から注文が殺到したため、商品名を「先の尖った鉛筆」という意味を持たせて「シャープペンシル」に改名。
しかし、関東大震災により「シャープペンシル」の生産工場が焼失。再起のために大阪に移転し、完成させた鉱石ラジオを1925年に「シャープ」というブランド名で売りだした。その後、幾度か社名を変更したが、事業の基礎となり製品のブランド名として使用していた「シャープ」を1970年に社名を正式に採用することとなった。
つまり、「シャープ」の起源は「エバーシャープ」というアメリカ製の繰り出し式鉛筆だったのだ。