暴れ小熊(熊孩子)

読み : アバレコグマ(ションハイズ)

暴れ小熊(熊孩子)とは・意味

暴れ小熊とは、中国で悪質ないたずらをする子どもを指す言葉で、いわゆる「悪ガキ」のことである。

中国語の「熊孩子」を意訳した言葉で、直訳すると「熊のような子ども」という意味であるが、日本のテレビで「暴れ小熊」として紹介されたことで、この呼び名が広まった。

「熊孩子」の読み方は「ション・ハイズ」。「孩子」=「子ども」という意味。暴れ小熊(熊孩子)は、だいたい3~10歳くらいの子どもを指す。

日本語では「暴れ小熊」というかわいらしい意訳をしているが、「熊孩子」は単なる「悪ガキ」では済まされないレベルのいたずらも起こしており、大きな社会問題となっている。

熊孩子(暴れ小熊)
Photo by Daniil Kuželev

「熊」は凶暴そうなイメージがあることから、中国ではさまざまな造語が生まれている。「熊孩子」もそのひとつ。
※「暴れ熊」ではなく「暴れ熊」

以下、「熊孩子(暴れ小熊)」の悪行の一例。

・ショベルカーに乗り込んで鉄の柵を破壊する
・高層マンション(30階)からコンクリートブロックを落としてバイクを破壊する
・自動販売機を破壊してジュースを強奪
・6歳の男児が車を運転
・ポルシェの屋根の上に乗って飛び跳ねる(複数人で)
・映画館の化粧室でハンドソープを撒き散らす
・エレベーター内でボタンに向けておしっこをする
・エスカレーターの手すりを滑り台代わりにして遊ぶ
(親は注意するどころか、スマホでその様子を撮影)

これらは特に悪質ないたずらを取り上げたものであるが、一歩間違えば大怪我では済まない事故が起こるかもしれない。「熊孩子(暴れ小熊)」のいたずらは、もはや「子どもだから」で済まされないレベルである。

日本では、テレビ朝日の情報番組「モーニングショー」が「熊孩子(暴れ小熊)」の問題を特集し、話題となった。日本語の意訳である「暴れ小熊」として紹介されたため、ネットでは「暴れ小熊」という呼び名で認知されている。

「マツコ&有吉のかりそめ天国」でも有吉が「暴れ小熊」の問題に言及し、話題に。有吉は日テレの特集を観ていたようで、子どもがマンションの高層階からコンクリートブロックを落としてバイクを破壊するなど、「暴れ小熊」の悪行を映した動画を観て、「遅刻するけど見なきゃ」と衝撃を受けたと話していた。

マツコも「暴れ小熊」たちが大人になる20年後を想像し「ヤバイ」と発言するなど、中国の将来を懸念。そのほか、番組では中国で「暴れ小熊」たちを教育する番組が始まっていることなどを紹介。

暴れ小熊(熊孩子)が増加している原因

中国では、一人っ子政策(1979年〜2015年)の時代に生まれた子ども(男児)を「小皇帝(シャオ・ホァンディ)」と呼んでいる。女児は「小皇后(シャオ・ホァンホウ)」と呼ぶ。
※2014年から二人っ子政策ができ、2015年には一人っ子政策は廃止された

小皇帝・小皇后と呼ばれる子どもたちは、一人っ子であるため親や親戚から過保護に育てられてきた。もちろん、全員がそうというわけではないが、甘やかされることでワガママに育ってしまう可能性が高くなる。

小皇帝・小皇后たちが大人になり、できた子ども一人っ子である場合、さらに過保護に育てられる傾向が強く、周りの大人がなんでも自分の言うことを聞く環境で育つと、傍若無人にふるまう「熊孩子(暴れ小熊)」となる。

中国が経済的に豊かになってきたこともあり、2000年以降に生まれた一人っ子たちは、なんでも与えられる超過保護に育ったことが「暴れ小熊」が増えた原因と考えられる。

両親から愛情を一身に受け、特別に甘やかされて育った一人っ子は、大人から叱られることが少ないがゆえに一般常識や周りへの配慮等が欠けてしまい、悪質ないたずらをする「熊孩子(暴れ小熊)」となってしまう。

両親ともに出稼ぎの家庭も多く、家庭教育が行き届いていないのも原因のひとつで、中国では子どものマナー問題に手を焼いているようだ。

熊孩子(暴れ小熊)

「熊孩子」の問題は深刻で、以下のようなケースも発生している。

それは、あるバスの車内での出来事で、5〜6歳くらいの子どもが、若い男性の「足」をなんども蹴り上げていた。最初は男性も我慢していたが、あまりのしつこさにキレて「熊孩子」をボコボコにしてしまう。

この動画は「熊孩子」の問題として話題となり、ネットで拡散されているが、みなさんが想像しているよりボッコボコにしている。

子どもの父親も手を焼いていたようで、「俺もずいぶん前から殴りたいと思っていた」と話しているのだが、この発言から、親世代にも問題があることが伺える。

※このケースは「熊孩子」が100%悪いのだが、男性もやりすぎてしまっている。動画を掲載するのはあれなので、気になる方は各自でお調べいただきたい。

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