フラッシュモブ

読み : フラッシュモブ

「フラッシュモブ」とは、インターネットを通じて呼びかけられた不特定多数の人々が、公園や広場、公共の場など様々な場所でダンスや演奏などを行うパフォーマンスのことである。

※英語のスペルは「Flash mob」

面識がない人々がインターネット通じて集まって「フラッシュモブ」を行い、パフォーマンスが終わると何事もなかったように解散する、というのが基本的な流れ。

「フラッシュ(Flash)」は「閃光、閃き」といった突然現れる出来事を意味し、「モブ(Mob)」は「統制がとれない群衆、暴徒」という意味を持つ。これら2つの単語を組み合わせ「フラッシュモブ」は、「突然現れた群衆(多数の人々)によって行われるパフォーマンス」という意味から生まれた言葉と考えられる。

ステージも何もない場所でゲリラ的に突然ダンスなどのパフォーマンスが始まり、そこに居合わせた人々を楽しませる。年齢やダンス経験の有無に関係なく、面識のない人々が集まってパフォーマンスを行う。結婚式や誕生日のサプライズとして「フラッシュモブ」が企画されることもあり、日本でも「フラッシュモブ」が広がっている。

「フラッシュモブ」に政治的なメッセージは含まれず、集まった人々やその場に居合わせた人々を楽しませることを目的とする。アメリカ、イギリス、日本など世界中で「フラッシュモブ」が行われている。

「フラッシュモブ」を行う側は、受ける側に周りの見知らぬ人が共演者だとは気づかれずに実行しなければならない。偶然居合わせた人がその場のノリでダンスなどに参加するのではなく、あらかじめどういうパフォーマンスをするのか打ち合わせしておきながら、「フラッシュモブ」が始まるまでは無関係であるかのようにふるまう。

Flash Mob

Photo by Johndaviesphotography

フードコートで突然『Hallelujah』を歌いだす「フラッシュモブ」。老若男女問わず多数の人々が参加

「フラッシュモブ」の起源は2003年に行われた集会

「フラッシュモブ」は2003年5月にニューヨークでビル・ワジク氏が企画した集会が起源とされている。

ビル氏は電子メールを通じてニューヨークの駅でバレエダンスを行う集会の開催を不特定多数の人々に呼びかけた。予想に反して250人以上もの人々が集まり、集会の開催が事前に警察に知られてしまったため集会は成功しなかったが、そのアイディアが評判となって各地で同様の集会が開催されるようになった。

インターネットのオフ会とよく混同されるが、オフ会は共通の趣味を通して交流を深めることが目的で、「フラッシュモブ」は面識がない不特定多数の人々が集まり、パフォーマンスが終わるとそのまま解散するという違いがある

スペインのサバデイ銀行が創立130周年記念に企画した「フラッシュモブ」(CM動画)。楽器を持った人々が徐々に集まり『第九』を演奏を始める

「フラッシュモブ」に対する賛否

「フラッシュモブ」は、いわゆるサプライズである。「フラッシュモブ」を行う側は、誕生日やプロポーズなど、記念日をより思い出に残るものにしたい、相手に喜んでもらいたいという想いが原動力になっている。前もって協力者と打ち合わせやリハーサルを行い、本番当日に備える。

ここで問題となるのが、「フラッシュモブ」を受ける側の気持ちである。サプライズを素直に喜べる人であるなら、突然行われる「フラッシュモブ」に感動してくれるだろう。

しかし、サプライズをされるのが苦手な人や、周りから注目を浴びるのを好まない人の場合、正直つらいものがある。そんな人が、サプライズの最終進化系ともいえるフラッシュモブをされると、喜ぶどころか引いてしまうだろう。

「ヤフー知恵袋」に寄せられた、「昨日の結婚式、「フラッシュモブ」のせいで最悪で…」という投稿がネットと話題となり、「フラッシュモブ」が苦手な人も多いということがわかった。投稿者は離婚まで考えるほどショックを受けたようで、「フラッシュモブ」が苦手な人の共感を呼んだ。苦手な人にとっては、思い出つくりになるどころか、苦い思い出になってしまうようだ。

昨日の結婚式、フラッシュモブのせいで最悪で… / ヤフー知恵袋

「フラッシュモブ」をやる際は、相手の性格を見極めることが大事である。勝手に喜んでくれるだろうと決めつけてしまうと、自己満足になりかねない。小さなサプライズなら多少失敗しても笑い話で済ませるが、大々的に「フラッシュモブ」をやって失敗すると取り返しがつかない…。そういう意味では、大きな賭けである。

また、「フラッシュモブ」をされると、プロポーズを受けるか迷っていても断りづらくなるため、「相手から選択権を奪う(by ケンドーコバヤシ)」という意見もある。確かに、大々的に「フラッシュモブ」をされるとOKせざるを得ない。

「フラッシュモブ」自体が良いか悪いかではなく、相手が喜んでくれるかどうかを考えた上で実行すべきなのだろう。喜んでくれると決め打ちするのではなく、苦手な人もいるということを理解した上で、やるべきかどうか判断しよう。

あと、不特定多数の人に目のつく場所でサプライズをされるのが苦手という人もいるので、それもよく考えてほしい。

《こちらのネタもどうぞ》

マンガ・アニメ・音楽・ネット用語・なんJ語・芸名などの元ネタ、由来、意味、語源を解説しています。

Twitter→@tan_e_tan