倍野菜
読み : バイヤサイ
倍野菜の意味・元ネタ
「倍野菜」はロックバンドSuchmosの楽曲『VOLT-AGE』、あるいはその一部分を指して用いられる言葉。Suchmosそのものを指して使う人も。
2018年に行われたサッカーのロシアワールドカップ。6月19日に行われた日本のグループリーグ初戦であるコロンビア戦はNHKで生中継されていた。
試合は前半早々に相手DFが退場になり日本が1点を先制、その後追いつかれるも1-1の同点でハーフタイムに突入した。前評判の低かった日本代表が相手の退場があったとはいえ善戦していることからいやおうにも中継を見ていた多くのファンのテンションは相当高まっていたと言えるだろう。
そのハーフタイム、NHKではこの2018年のサッカーテーマソングとして選ばれたSuchmosの『VOLT-AGE』のパフォーマンスが放送された。サッカー中継中にライブを挟むという構成もさることながら、この『VOLT-AGE』という曲、そのタイトルとは裏腹にイマイチ盛り上がりに欠ける曲だったのだ…。
すでに数日前から開幕していたW杯中継でもこの曲は流れていたため耳にしていた人も多かったと思われるが、実際にライブかつフルで聞いてもテンションを上げづらく、「ボルテージ上がらない…」「負けそう」などネット上では動揺する声が多く見られた。このハーフタイムのライブがSuchmosの地上波初パフォーマンスで、これで初めてSuchmosを知ったという人も多かったことだろう。
そして特に何度も出てくる歌詞「heartbeat」が頭に残り、繰り返した後にくる「by your side」も印象的。この「by your side」の空耳が「倍野菜」であり、ワールドカップの盛り上がりとミスマッチな楽曲を揶揄するような意味合いで用いられるようになった。
「heartbeat」の部分は「ハートビー」と表記、セットで「ハートビー…バイヤサイ」とテンション低そうに書かれることが多い。
中には「温野菜」に聞こえるという人も少数派ながら存在する。
Suchmosのバンドとしての魅力であったりこの『VLOV-AGE』という楽曲そのものが低い評価を受けているというわけではない。あくまでもワールドカップというサッカーが4年に1度最高潮に盛り上がる舞台で、なぜNHKはこのなんとも盛り上がりにくい曲を、ひいてはもともとクールなイメージのSuchmosというバンドに依頼したのかという話である。
NHKとしては今回のワールドカップはクールでオシャレなイメージでいこうという方針だったのかもしれないが、NHKのワールドカップテーマソングといえば2010年にはSuperflyの「タマシイレボリューション」、2014年には椎名林檎の「NIPPON」と熱を感じさせる曲が続いていたためそれらとの落差を感じた視聴者が多かったのではないだろうか。
ちなみにNHKのサッカー中継テーマソングというのはワールドカップに限ったものではなく、ワールドカップのない年や他の海外サッカー中継でも使用されている。2011年〜2012年にはRADWIMPSの「君と羊と青」、2013年にはサカナクションの「Aoi」、2017年にはONE OK ROCKの「We are」が使われていた。「VOLT-AGE」も同様にワールドカップ閉幕後もNHKのサッカー中継で使用されることになる。
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