マウント

読み : マウント

「マウント」はSNSや掲示板などのネット上で使われる言葉。「マウントをとる」「マウントをとろうとする」「マウンティング」などといった形で用いられる。

「マウント」は英語の「mount」で、「登る」や「乗る」「またがる」といった意味がある。

ネット上で使われているこの「マウント」とは簡単に言えば相手・あるいは他の人よりも「優位に立とうとする」その行為を指す。

収入や学歴、経歴、ファン歴、知識、彼氏や結婚の有無などなど様々な点において自分の方が恵まれている・優れているということをアピールすることで、自分の方が「上」なのだとアピールすることである。
こういったアピールをすることによって自尊心を満たしたり、あるいはレスバトルなどで会話の流れを優位に持ち込もうとすることが目的とされる。

レスバトルでは話の本筋とは関係ないところでマウントの取り合いになることもしばしば。

一言でわかりやすく言ってしまえば「自慢」で、自慢話ばかりしていると「マウントを取ろうとしてる」と言われるてしまう。

マウントポジション

一般的にこの「マウント」が日本で広まったきっかけと考えられるのが1990年代に起こった総合格闘技ブーム

1997年に行われた「PRIDE.1」のメインイベントだった高田延彦VSヒクソン・グレイシー
プロレス界最強を掲げていた高田と「400戦無敗」のヒクソンの戦いには大きな注目が集まり、ここから日本では総合格闘技ブームが巻き起こった。
このブームの中で広く知られるようになった言葉が「マウントポジション」である。

マウントポジションは仰向けの相手に馬乗りになった状態を指す。
総合格闘技ではこのマウントポジションをいかにとるかが重要であり、マウントポジションをとれば相手を一方的に殴ることができる「圧倒的に有利なポジション」というわけである。
高田VSヒクソンもこのマウントポジションからの腕ひしぎ十字固めで決着がついている。

総合格闘技ブームを通じて「マウントポジション」が一般的にも「圧倒的有利な体勢」「一方的に攻撃できる状態」として知られるようになり、そこから「マウント」という言葉が「優位に立とうとする行為」という意味で使われるようになったと考えられる。

プロレスが死んだ日。 ヒクソン・グレイシーVS髙田延彦 20年目の真実

マウンティング

また、同じ意味で「マウンティング」という言葉もある。

マウンティングというのはサルなどの動物が他のサルの上に乗って自分が相手よりも優位であることを誇示する行為のこと。
前述のマウントとも同じような意味であり、やはり相手の上に乗り優位に立とうとすることを意味している。

この「マウンティング」という言葉を使った『女は笑顔で殴り合う マウンティング女子の実態』という本が2014年に発売されている。
友人相手であっても自分の方が立場が上であることを言葉や態度でアピールしようとする、そんな女子を「マウンティング女子」としている。

女は笑顔で殴りあう:マウンティング女子の実態 (単行本)

この本の発売以前からすでにネットでは「マウント」という言葉が使われてはいたが、これ以降さらに広く使われるようになったきっかけとも考えられる。

《こちらのネタもどうぞ》

マンガ・アニメ・音楽・ネット用語・なんJ語・芸名などの元ネタ、由来、意味、語源を解説しています。

Twitter→@tan_e_tan