アキレス腱(Achilles tendon)
読み : アキレスケン
アキレス腱は足首の後ろにある腱を指し、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をくっつける役目を持っている。踵骨腱(しょうこつけん)という、なんかかっこいい別名も持っている。強者の弱点を喩える場合にも用いられる(後述)。
人間の持つ腱の中でアキレス腱は最も太く強靭で、人間が歩いたり走ったりするために欠かせない存在。一般的にアキレス腱は400キロ以上の負荷にも耐えられると言われているが、それ以上の過度な負荷を与えると必ずしもアキレス腱が断裂してしまうわけではなく、準備運動などを怠ると400キロ以下の負荷でも断裂する場合もある。
アキレス腱の由来・語源
アキレス腱という名前は、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』に登場するギリシア神話の英雄アキレウスが由来となっており、アキレス腱と呼ばれるようゆえんとなったこんな挿話が残っている。
アキレスを不死身の肉体にするため、母テティスは彼が生まれた時に不死ともたらすとの伝説がある冥府の川ステュクスに浸した。しかし、母テティスはアキレウスの両足の踵をつかんで浸していたため、水に浸からなかった踵だけが不死にならず生身のままになってしまった。生身のままの踵はアキレウスの唯一の弱点となり、トロイア戦争では同じくギリシア神話の英雄であるパリスに弱点である踵を弓で射られて命を落とすこととなった。
この挿話からアキレウスの弱点である踵=アキレス腱と呼ばれるようになった。
「Achilles’ heel」が「唯一の弱点、急所」という意味で使われるのは、上記の挿話が語源となっている。
真ん中の兜をかぶったほぼすっぽんぽんの人がアキレウス。