覇王伝説(稀勢の里)

読み : ハオウデンセツ

「覇王伝説」は、なんJの相撲スレなど横綱・稀勢の里の話題になると出てくる言葉。

覇王伝説はいつ始まるのか」と書かれることが多い。

覇王伝説の元ネタ

「覇王伝説」というのは、『横綱覇王伝説 稀勢の里』という漫画作品のことである。

稀勢の里は2017年1月場所で悲願の初優勝を成し遂げ、場所後に開かれた横綱審議委員会で横綱への昇進が決定。2003年に引退した貴乃花以来、14年ぶりの日本出身横綱が誕生した。

横綱になり初めての場所となった3月場所では初日からの12連勝で迎えた13日目に左肩を負傷するも、翌日以降も出場を続け、千秋楽に逆転優勝を飾る。久々の日本出身横綱の誕生と、その初めての場所での優勝という二場所連続優勝は大きな話題となった。

そしてこの稀勢の里フィーバーを受けて作られたのが『横綱覇王伝説 稀勢の里』である。この作品は、2017年6月24日に発売された雑誌「コミックゼノン」8月号で新連載が開始し全3話で完結している。

月刊コミックゼノン 2017年 08 月号 [雑誌]

作品では稀勢の里の入門前から、力士として成長していく姿、そして横綱稀勢の里の誕生などが描かれており、いわゆるよくある有名スポーツ選手を題材とした「◯◯物語」のような内容となっている。

なぜネタ扱いされたのか

『横綱覇王伝説』はなんJなどでネタ扱いされてしまっているわけだが、そうなってしまった要因は大きく分けると2つだと考える。

まず一つは、その絵のタッチ。劇画調のこの作品では、主人公である稀勢の里がシュッとしたイケメンに描かれており、実物の稀勢の里と比べると「誰?」となってしまうぐらいに差がある。

こちらが『横綱覇王伝説』の稀勢の里

そして、実際の横綱稀勢の里

また、稀勢の里以外で登場する力士も印象的。こちらは日馬富士

ただ、こういった実物の有名人を漫画にする場合、ある程度美化して描かれるのは当然と言えば当然のことであり、これだけでそこまでネタにされるほどのことではない。

やはりこの作品がネタ化してしまったのは、その後の横綱稀勢の里本人の実際の成績にあるだろう。

1月場所、3月場所と二場所連続優勝を成し遂げた稀勢の里。おそらくはこのタイミングで漫画化されることも決まったのだと思われるが、続く5月場所では負傷が完治しないまま強行出場し6勝4敗となったところで11日目から途中休場。さらに連載中の7月場所は6日目までに2勝4敗となり7日目から途中休場という散々たる結果となった。

そんな状況の中、2017年8月25日に発売されたコミックゼノン10月号で最終話(第3話)が掲載された。

横綱となってから最初の場所こそ優勝したものの、その後二場所連続休場という状況でどのように終わらせるのかと注目されたが、『横綱覇王伝説 稀勢の里』は次のようなカットで締めくくられた。

物語は春場所の優勝までで締めくくられており、最後に「2017年 夏場所 第七二代横綱稀勢の里 彼の覇王伝説は今ここから始まる』」と、イケメン稀勢の里と共に書かれていた。

しかし、実際の夏場所(5月場所)は前述のとおり途中休場しており、この号が発売された時点でその次の7月場所も終了していることから、「いつになったら『覇王伝説』は始まるんだ?」とネタにされてしまったというわけである。

稀勢の里が勝てば「覇王伝説始まったな!!」と書き込まれるわけだが…

その後も稀勢の里は休場や、出場しても序盤で負けが込んでは休場を繰り返し、数々の横綱ワースト記録を更新してしまうなど、なかなか『覇王伝説』が始まらない状況が続いている。

2019年1月場所、初日から3連敗を喫した横綱・稀勢の里はついに引退を決断。彼の覇王伝説は今ここから始まる。

『横綱覇王伝説 稀勢の里』は現時点では単行本化はされておらず、『マンガほっと』というアプリで読むことができる。現在はプロローグのみ無料のようだ。
マンガほっと-横綱覇王伝説 稀勢の里

1/16日、稀勢の里の引退発表を受け、1月31日まで全話無料公開中とのこと。※終了しました。

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