Atoms for Peace
読み : アトムス・フォー・ピース
Atoms for Peace(アトムス・フォー・ピース)はRadioheadのトム・ヨークを中心としたバンドで、Red Hot Chili Peppersのベーシスト・フリー、プロデューサー(RadioheadやU2など)のナイジェル・ゴドリッチ、R.E.M.やBECKなどの活動に参加してきたドラマーのジョーイ・ワロンカー、パーカッショニストのマウロ・レフォスコという豪華なメンバー。
2009年にトム・ヨークのソロアルバム『The Eraser』のツアーのために結成されたことがきっかけで誕生し、2013年2月に1stアルバム『Amok』をリリース。
Atoms for Peaceの由来・意味
バンド名のAtoms for Peaceは第34代アメリカ大統領ドワイト・アイゼンハワーが提唱した核に対する考え「Atoms for Peace」に由来する。「Atoms for Peace」=「平和のための原子力」を意味する。1953年12月8日にニューヨークの国際連合総会での演説にて提唱され、原子力を平和のために使用することを目的とし、軍事目的の核廃絶を目指した上で必要とする国には平和目的の核技術を渡すという内容。
トム・ヨークはバンド名にAtoms for Peaceを選んだ理由のひとつとして、
「言葉の意味が死ぬほど分かりきっているように思えた」と語っており、
トム・ヨークなりの皮肉が込められていそうなバンド名である。
実はトムの父親は原子物理学者であるため、小さいころから英国のセラフィールド(使用済み核燃料再処理施設)に出入りしていた姿を見ていたそう。
トム・ヨーク:
今の時代、多方面で深く共鳴するコンセプトだよね。実は僕の父は原子物理学者で、1950年代末に、何の防護処置もせずにプルトニウムを入れた試験管を持って歩き回ってた。それが普通だったんだよ。あの当時我々に原子力を売りつけたそういうナイーヴさと、その裏にある闇との対比に、バンド名を選んだ大きな理由がある。と同時に、“平和のための原子力”という言葉の響きは一種の運動エネルギーを示唆していて、かつ、静けさをも表現しているし、さらには我々が直面している、どうやって電力を作り出すかっていう問題にも思索を向かわせるんだよ
引用:Atoms for Peaceインタビュー(CD Journal)
『The Eraser』の5曲目にバンド名と同名曲の『Atoms For Peace』が収録されているが、本曲の歌詞中に「Atoms For Peace」という言葉は使われておらず歌詞を見る限り原子力についてハッキリと歌った曲ではない。