アルケミスト(ACIDMAN)

読み : アルケミスト

『アルケミスト』はACIDMANの21枚目のシングル。
(2012年09月19日リリース)
『アルケミスト』はオオキノブオ(ヴォーカル)とベースのサトウマサトシが初めて合作した曲。イントロはサトウが作り、そこにメロディと詩をオオキが加える形で制作。

アルケミスト

『アルケミスト』はブラジルの小説家、パウロ・コエーリョの小説『アルケミスト-夢を旅した少年(O Alquimista)』がモチーフになっている。
「アルケミスト(Alchemist)」は「錬金術師」を意味し、曲を作っている際にこの小説を読んだところ自分の世界観をマッチしていたことから本曲モチーフに。
パウロ・コエーリョは自身のTwitterでACIDMANについてつぶやいている。

Honored to know that the Japanese band ACIDMAN is recording “The Alchemist”, song based on my book.
日本のバンドACIDMANが私の著書を元に『アルケミスト』という曲を作っていることを知り、光栄に思っている。

『アルケミスト』=「賢人」

スタジオでメロディをつけていた際、サトウがプリンと一緒に差し入れに持ってきた小説「アルケミスト」を読んだオオキは、旅をしているイメージで作っていた本曲と世界観がリンクしたことを感じ、一気に詞を書き上げた。
「アルケミスト」=「錬金術師」は物質から金を作る「錬金」を行う人という意味もあるが、昔から「世界の仕組みを知る神様に近い人達」=「賢人」を喩える意味で「錬金術師」という言葉が使われており、本曲にはそういった人たちに向けてのメッセージが込められているそう。

錬金術によって物質を金に変えることは自分を含めてまわりのものを変えることであり、錬金術とは「今の自分よりも良いものになろうと努力すれば、自分のまわりのものも良くなる」ことだということを「錬金術師」は知っている。そういった賢人の知恵を知っている人こそが「錬金術師」であるとの意味が本書では語られている。

世界的なベストセラーとなった本書は夢を諦めてしまった人の背中を推してくれる小説であり、『アルケミスト』の「さあ もう一度だけ 旅をはじめよう」という歌詞にリンクしている。夢を追いかけることは自分次第でいつでもスタートできるということを教えてくれる。

金色の子供達

『アルケミスト』の歌詞には「金色の子供達」が登場する。8thアルバム『ALMA』のラストに収録されている『ワンダーランド』にも「金色の子供達」が登場する。
『アルケミスト』では「さぁもう一度だけ旅を始めよう」とあり、『ワンダーランド』で旅をしていた「金色の子供達」がまた旅に出る、そんな解釈もできる内容だ。

『アルケミスト-夢を旅した少年』

『アルケミスト-夢を旅した少年』はエジプトに宝物が眠っているという夢を見た羊飼いの少年サンチャゴが、「宝物」=「夢」を求めて旅をする物語。
不思議な力を持つセイラムの王様・メルキゼデック、クリスタルショップの店主、錬金術師を志すイギリス人、砂漠に住む錬金術師、様々な人たちとの出会い、別れを経験しながらサンチャゴは「大いなる魂」「大いなることば」を理解し夢を求め旅をする。
サンチャゴが夢を求め旅をする姿は『アルケミスト』の詩の主人公とリンクしている。
『アルケミスト』の世界と同じではないが、本書を読むとより『アルケミスト』という曲が深く感じられる。
旅をすること」=「生きること」というメッセージが本曲『アルケミスト』から感じられる。

※主人公のサンチャゴは著者が旅したスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(サンチャゴ巡礼)が由来となっている。

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

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