●●なのに▲▲…妙だな…

読み : ナノノミョウダナ

「●●なのに▲▲…妙だな…」は、邪推するときや違和感のあることへのツッコミとして使う言い回し。妙(みょう)」は、「不思議なこと」という意味を持つ。

「●●なのに▲▲…」の部分に決まりはなく、「●●…妙だな…」「「●●に▲▲…妙だな…」など、いろいろなパターンがある。

「●●なのに▲▲…妙だな」は、マンガ『名探偵コナン』の主人公である江戸川コナンのセリフが元ネタ単行本18巻収録の「FILE.6 転校生は…」に登場するこの言い回しが登場する。

「●●なのに▲▲…妙だな」の元ネタのシーン

「FILE.6 転校生は…」は灰原哀が初登場する回で、少年探偵団にとある依頼が来ることから事件が始まる。依頼主は1年A組の男の子で、10歳年上の兄が一週間前に友達の家に行ったきり帰ってこないという。少年探偵団は灰原哀と共に、依頼主の男の子の家に手がかりを探しに行くことに。

依頼主の兄の部屋を詮索していると、夏目漱石のデッサンを見つける。高校の美術部に所属する兄は、漱石の絵を町の展覧会に出品したところ、上から下まで真っ黒な女の人に褒められたという。そこでピンときたコナン。行方不明の状況から、近くに呼び出されて連れ去られたと可能性が高いと推理し、少年探偵団らと近所を捜索することに。

喉が乾いたからコンビニに寄りたいという歩美ちゃんと一緒に店内に入った一行。レジには何人か並んでいる。しばらくした後、コナンの目に、レジでマイルドセブンを買う男性の姿が映る。以下、その会話の一部始終。

〜コンビニのレジにて〜〜〜
男性「マイルドセブン一つ…」
コナン「え?」
レジ店員「770円のお返しです!」
ーー 店を出る男性 ーー
レジ店員「ありがとうございました!!」

歩美ちゃん「どうしたのコナン君?」
コナン「千円札でタバコ一個…妙だな…

この後の会話で納得できる説明がされるのだが、このシーンだけ切り取ると、「千円札でタバコ一個」を買った男性に対し、コナンが邪推しているだけに見える。むしろなんでも疑いすぎだろコナンくん…とさえ思ってしまう。理由は後述。

このやりとりが読者にウケ、 ネットではこのシーンを切り取った「●●…妙だな…」や「●●なのに▲▲…妙だな…」が使われるようになる。

コナンが「千円札でタバコ一個…妙だな…」と言った理由

さて、なぜコナンは「千円札でタバコ一個」を買った男性の行動を妙だと思ったのか?この後の会話を見てみよう。

歩美ちゃん「どうしたのコナン君?」
コナン「千円札でタバコ一個…妙だな…」
元太「小銭がなかったんじゃねーの?」
コナン「千円持ってりゃ店の前の自販機で買えるさ…わざわざレジに並んで買う必要はない…
光彦「きっと欲しいタバコが売り切れだったんですよ…」

コナン「(レジ店員に向かって)ねえ!いまの男の人が遣った千円札見せてくれない?」
レジ店員「え?」
コナン「(レジ台に飛び乗って)いいから見せて!!」
レジ店員「あっコラ!」
ーー夏目漱石が描かれた千円札を観察するコナンーー
コナン「透かしがない!!!やっぱり今の男…」
レジ店員「もなんなのこの子!?」
ーーレジ台から飛び降りるコナンーー
コナン「警察に電話して…それニセ札だよ…」
ーーどこかに駆けて行くコナンーー

コナンいわく、レジに人が並んでいるのに、わざわざレジに並んでタバコを買うのは不自然とのこと。今は自販機でタバコを買うにはタスポが必要だが、この話が掲載されたのは1997年(単行本発売は1998年1月17日)なので、タスポなしでタバコが買えた時代であった

確かに、千円札を持っているなら、混んでいるレジに並ばずに自販機で買うのが合理的。コナンは、光彦の「欲しいタバコが売り切れていた」という推理を無視しているので、自販機が売り切れだった可能性もあるが…状況からニセ札を疑ったのだ。

通常、紙幣の真ん中には偽造を防止するための「透かし」が入っているのだが、男性が支払った千円札には透かしがない=ニセ札の可能性が高いというわけだ。ニセ札では自販機が読み取ってくれないので、男はわざわざ並んでまでレジでタバコを買ったのだ。機械はごまかせないが、人間の目だと欺きやすい。コナンはこう推理した。

ちなみに、千円札に夏目漱石の肖像が発行されていたのは1984年(昭和59年)〜2003年(平成15年)まで。2004年(平成16年)からは野口英世の肖像に変更された。

夏目漱石肖像の千円札にしても、マイルドセブンの値段が230円であること、タスポなしで自販機でタバコが買えたことなど、掲載当時の時代背景が感じ取れる設定である。

「●●なのに▲▲…妙だな…」の使用例

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