イナバウアー

読み : イナバウアー

イナバウアーは、フィギュアスケートにおける技の名称。

2006年のトリノオリンピック、フィギュアスケート・女子シングルで荒川静香が披露し、金メダルを獲得したことで日本では広く知られることとなった。「イナバウアー」はこの年の流行語大賞にも選ばれている。

トリノオリンピックでの荒川静香のフリー演技。3分26秒あたりからの体を反らしている部分がイナバウアーと呼ばれている。

イナバウアーの由来

「イナバウアー」という技名は、1950年代に活躍した旧西ドイツの女子フィギュアスケート選手イナ・バウアーの名前が由来となっている。

彼女は国際大会では目覚ましい活躍はできなかったが、引退後映画やアイスショーに出演。そこでイナバウアーを披露していたことからこの技が広まったという。

フィギュアスケートの世界ではこのように技の開発者の名前が技の名称となることが多い。

ジャンプの種類の名前である「サルコウ」は1908年のロンドンオリンピック金メダリストのウルリッヒ・サルコウから。「ルッツ」はオーストリアのアロイス・ルッツから、スピンの名称である「ビールマンスピン」は、スイスの女性スケーターであるデニス・ビールマンから名付けられている。

イナバウアーへの誤解

日本ではトリノ五輪の荒川静香の演技によって広く知られるようになった「イナバウアー」だが、多くの人が上体を大きく反らしたまま滑る技やその状態を「イナバウアー」だと誤解していた。

実際には「イナバウアー」というのは、前に出した足の膝を曲げ、もう一方の足後ろに引いて伸ばし、エッジが180度開いた状態で横に滑るという技のこと。

つまりは足の状態を指した名称であり、上体は反っていても反っていなくても「イナバウアー」となる。荒川静香の背中を反らした状態は「レイバック」と呼ばれ、これらを組み合わせると「レイバック・イナバウアー」となる。

しかし、金メダルを取った象徴的な演技であり、解説者等がこれを「イナバウアー」と呼んだことから、誤解されたままこれが広まり定着していったというわけである。荒川静香自身は自分からこの技を「イナバウアー」と呼んだことはなく、講演や取材でいつも訂正しているという。

「イナバウアー」からの派生語

間違った認識とはいえ、もうすでに日本ではそれが定着してしまっていることから、「背中を大きく反らす」=「イナバウアーポーズ」と呼ばれることが多く、様々な派生も生まれている。

大相撲の大関・琴奨菊が取り組み前に大きく背中を反らすルーティーン「琴バウアー

卓球の張本選手による「ハリバウアー

「小田和正」や「マトリックス」と絡めてネタにされることも少なくない。

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