だから気に入った

読み : ダカラキニイッタ

だから気に入ったとは

「だから気に入った」は、何かを気に入った時に用いられるフレーズ。

「だから」とあることから、なんらかの理由が先にあった上で使用されることが多いが、後述の元ネタの経緯から、本来なら「気に入らない」ようなネガティブな情報があった上であえて「気に入った」とする際に使用される。

だから気に入ったの元ネタ

このフレーズは『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』での岸辺露伴の台詞である。登場するのは第1巻に収録されているエピソード06「密漁海岸」。

この回では、岸辺露伴がトニオ・トラサルディーのイタリアンレストランを訪れる。トニオのスタンド能力による料理で疲れ目がスッキリした露伴は「感動させていただいた」と絶賛。

食事を終えた露伴にトニオは、「友人としてお願いしたいことがある」と話を切り出す。

トニオのお願いは「一緒に杜王の海岸に鮑を採りに行ってはいただけませんか?」というもの。杜王町の海岸で採れる鮑は特別なもので、それが手に入れば生涯で最高の特別料理を作ることができるという。

露伴は「漁師たちから直接買えばいいだろう?」と問うが、漁師たちはひとつも売ってくれないというトニオ。「違法」であることを察する露伴だが、「採るのは私、あなたは電灯を照らしてくれるだけでいい。」とトニオ。

そこからの二人のやり取りが以下のもの。

露伴:ライトを照らすだけだって…僕は健全な少年少女のために漫画を書いている人間だぜ…社会的に少しは有名なんだ。しかも!鮑は稚貝を海に放して成長して収穫できるまで5年以上と書いてあるッ。育てている漁師たちの日々のご苦労は想像できない!!

トニオ:「密漁」をします

露伴:だから気に入った

トニオ:ベネ(良し)。そうおっしゃっていただけると思っておりました。

そしてこの後、実際に二人で鮑を採りに行くこととなる…。

このように、リスクが高くかつメリットが薄い密漁という行為であるという「気に入らない」理由を列挙した後で、より大切なもののために社会のルールを越えるその考えを「気に入った」と承諾する露伴の台詞である。実はこの話の冒頭で露伴は、店の奥に車椅子に乗った女性の姿を目にしており、そこから何かを察し、だからこそトニオの無茶なお願いを受け入れたものと考えられる。

単行本ではこのエピソードの後に荒木飛呂彦の解説として、『密漁海岸』で描きたかったのは「密漁します」「だから気に入った」のセリフのくだりであると書かれている。

「だから気に入った」は、同じく岸辺露伴の名言として有名な「だが断る」と対になるような名言となっている。
だが断る

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